Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度は、昨年度に確立された異所性骨形成モデルから、異所性骨形成を安定した形で誘導し、経時的に異所性において形成された骨が吸収されにくいという事実を考察、検討することを目標に研究を進めた。さらに、異所性に形成した骨を同一個体で移植し、その動態を観察した。ラット皮下埋植における異所性骨形成のため、大腸菌由来のrecombinant human bone morphogenetic protein (rhBMP-2)、担体としてfibrous glass membrane (FGM)を用いた。4週齢の雄ラット背部皮下にrhBMP-2を凍結乾燥により含浸させたサンプルを埋植し、4週目にサンプルを摘出して、頭頂部皮下に埋植した。サンプルは移植から2週目に摘出、分析を行なっている。同様に、30週後のサンプルも回収予定である。同様の4週摘出の系においてI型コラーゲンを担体として同様の埋植を行なった。これら移植後の骨の形成、あるいは吸収動態は分析中であり、今後も研究を続行する予定である。コラーゲンを担体とした埋植においては、4週にてペレットの大部分の吸収を認めたが、ごくわずかながら皮質骨様の構造が残留、摘出できた。吸収の際のリモデリングにてこのような構造の安定した骨が形成されることは興味深い結果であり、担体の物性によって吸収のコントロールが可能であるか否かは課題となった。今後、さらにこの骨の構造や特性を分析していく予定である。