Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究課題は,自家歯牙移植歯の咬合機能を生理学的な観点から明らかにすることを目的とし行った.移植歯の咬合機能の評価は一般的な歯周・咬合検査項目に加え,ダイナミック動揺度(ペリオテスト),咬合力負担能力(プレスケールおよび個歯咬合力),歯根膜感覚試験(フォンフライ毛)を指標とし行った.個歯咬合力の測定は小型圧トランスデューサ(PS-70KAM260:KYOWA)を用い対合歯の影響をなくすため,対合歯列はスプリントを装着した.歯根膜感覚試験はTouch-Test^<TM>(North Coast)を用い,精神物理学的手法にて上昇・下降系列を3サイクル行い,その感覚閾値の平均値を求めた.コントロールとして正常有歯顎者6名の下顎臼歯に対し種々の検査を行い,左右の同名歯間での差は認められなかった. 被験者は自家歯牙移植歯を有する成人4名で,移植歯は第三大臼歯を第1大臼歯部に移植したもので,移植後6ヶ月以上,歯冠補綴終了後3ヶ月以上経過したものを対象とした.被験歯としては,自家移植歯,対照歯A群(移植歯の同顎反対側同一部位の歯)および対照歯B群(移植に用いた歯の同顎反対側の歯)を設定した. (1)歯周検査,ダイナミック動揺度,プレスケール(被験歯の歯列上咬合力・咬合接触面積)は各群間に差は認められなかった. (2)歯根膜感覚試験では,移植歯群は5.4±0.4g,対照歯群はそれぞれ5.9±3.1g,6.1±2.6gで移植歯にて感覚閾値が小さい傾向がみられた. (3)個歯咬合力については,各被験者においても移植歯群は対照歯A群およびB群に比べ小さい値となった. 結果(1)より,移植歯が歯列内で正常に咬合力発揮や咀嚼などの機能に寄与していることが確認された.また(2)より移植歯は対照歯と比較し感覚閾値が小さいことが推察され,(3)より移植歯の咬合負担の能力に関しては移植した歯に近い制御がなされていることが示唆された.
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