Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
本実験の被験者は,精神的疾患を有さない9名(男性4名,女性5名,年齢24〜32歳)を対象とした. 歯根膜感覚閾値の測定は,右側上顎犬歯を被験歯として,ひずみゲージを応用した自作の荷重装置を用いて行った.被験歯に対する荷重は極限法上昇系列に準じて行い,10回の測定値の平均値を歯根膜感覚閾値とした. 精神状態の評価は心電図RR間隔変動の周波数解析ならびに心拍数(HR)の変化によって行った.心電図RR間隔変動の周波数解析は,0.04〜0.15Hzの低周波成分のパワー値(LF:msec2,交感神経,副交感神経活動の指標)と0.15〜0.40Hzの高周波成分のパワー値(HF:msec2,副交感神経活動の指標),LF/HF(交感神経活動の指標)の1分間平均値を算出して行った. 各データの統計解析は対応のあるt検定によって行った(両側検定,有意水準0.05). LF成分(820±668msec^2)ならびにLF/HF(1.29±0.40)は精神的ストレス負荷後において有意に増加した(LF,2038±1298msec^2;LF/HF,3.60±0.49,p<0.05).一方,HF成分およびHR(626±396msec^2,70.2±10.8bpm)は有意な変化を示さなかった(HF,621±425msec^2;HR,76.1±10.8bpm).歯根膜感覚閾値(71.0±35.9mN)に関しては,精神的ストレス負荷後において有意な増加が認められ(107.9±45.4mN, p<0.001),心電図データの各指標のうちLF/HFに対して有意な正の相関を示した(r=0.545,p=0.O193). 本実験の結果から,精神的ストレスは自律神経系のうち交感神経の活動性を高めるとともに,歯根膜感覚閾値の増加も惹起することが示唆された.
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