Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
骨形成促進物質であるスタチンが、腫瘍や嚢胞などの疾患により生じた骨欠損の修復を促進するのではないかという着想から、ラットの顎骨に欠損を作製して、シンバスタチンを欠損部に直接投与したときの骨形成の変化を解析している。今年度は前段階として骨芽細胞の培養系を用い、スタチンの骨細胞に対する作用を分子および遺伝子発現レベルで検討した。マウス正常骨芽細胞株であるMC3T3-E1細胞にシンバスタチンを添加し、骨芽細胞の増殖及び分化の変化を調べた。分化に関しては、ALPの遺伝子発現や酵素活性、I型コラーゲン、オステオカルシン、骨シアロタンパク質(BSP)、コラゲナーゼ(MMP-1、MMP-13)の遺伝子発現の変動を検索した。増殖に関しては、細胞数の変化、チミジンの取り込みの測定、またIGF-1の遺伝子発現を検索した。その結果、骨芽細胞株であるMC3T3-E1細胞にシンバスタチンを添加するとALP、I型コラーゲン、オステオカルシン、BSPの遺伝子発現を強く促進した。また、ALP活性やオステオカルシン合成量も著明に増加した。一方で、コラゲナーゼ(MMP-1、MMP-13)の遺伝子発現は有意に抑制された。
All 2004
All Journal Article (2 results)
Journal of Cellular Biochemistry Vol.92
Pages: 458-471
Endcrine Vol.24 No.2
Pages: 121-129