Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
我々は,1-chloro-2,4-dinitrobenzene (DNCB)を抗原とするマウス遅延型過敏反応(Delayed Type Hypersensitivity,以下DTH)モデルを作製した。さらにこのDTHマウスモデルを用いて,口腔粘膜感作と皮膚感作それぞれの感作部位による惹起反応の違いを惹起相で比較をした。 感作成立の評価方法であるmouse ear swelling test (MEST)で評価した結果,口腔粘膜感作も皮膚感作も耳介腫脹のピークは惹起後24時間であった。至適惹起濃度は口腔粘膜も皮膚感作も1.0%であり,その濃度での感作率は100%であった。しかし惹起後24時間の至適濃度での口腔粘膜感作における耳介腫脹は皮膚感作における耳介腫脹よりも有意に低値を示した。 口腔粘膜と皮膚の感作誘導相(感作相)における感作部位局所のランゲルハンス細胞(Langerhans cell)数と抗原提示能について比較検討した。感作前のF4/80陽性MHC class II陽性LC数は,口腔粘膜および皮膚で有意差がなかった。感作後に口腔粘膜と皮膚のF4/80陽性MHC class II陽性LC数は増加したが,口腔粘膜では皮膚より有意に少なかった。抗MHC class II抗体投与マウス、抗CD80抗体投与マウス、抗CD86抗体投与マウスを用いたMESTにより耳介腫脹は感作部位に関係なく抑制された。口腔粘膜感作DTHマウスにおいて感作後の口腔粘膜のF4/80陽性CD86陽性LC数は増加したが,皮膚感作DTHマウスにおける感作後の皮膚より有意に少なかった。また、F4/80陽性CD80陽性LC数においても同様の結果を得た。 今回の研究において,DTHマウスモデルでの口腔粘膜感作は皮膚感作より惹起反応が弱いことが判明した。その理由として口腔粘膜感作のほうが皮膚感作より誘導されるLC数が少なく抗原提示能が低下しているからであると考えられた。
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