Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
実験方法として日本白色雄性家兎(体重3kg)を用い摘出顎関節円板と摘出下顎頭に対し、以下の照射条件で施行した。(単発照射1w/1sec、7w/1sec、10w/1sec、連続照射1w群:1w/3sec・1w/5sec、7w群:7w/3sec・7w/5sec、10w群:10w/3sec・10w/5sec)評価方法ではそれぞれの組織深達度と最大組織欠損幅径を測定した。結果、単発照射では、摘出顎関節円板への組織深達度は1w/1secで0.5±0.2mm、7w/1secで1.1±0.4mm、10w/1secで1.9±0.4mmであった。摘出下顎頭では1w/1secで0.4±0.2mm、7w/1secで0.9±0.3mm、10w/1secで2.3±0.8mmであった。単発照射での最大組織欠損幅径は、1w/1secで0.5±0.2mm、7w/1secで0.5±0.1mm、10w/1secで0.6±0.1mmであった。摘出下顎頭では1w/1secで0.4±0.1mm、7w/1secで0.4±0.1mm、10w/1secで0.5±0.1mmであった。3秒連続照射では摘出顎関節円板への組織深達度は1w/3secで0.9±0.3mm、7w/3secで穿孔、10w/3secで穿孔した。摘出下顎頭では1w/3secで0.6±0.3mm、7w/3secで1.6±0.1mm、10w/3secで2.1±0.2mmであった。5秒連続照射では摘出顎関節円板への組織深達度は1w/5secで1.2±0.2mm、7w/5secで穿孔、10w/5secで穿孔した。摘出下顎頭では1w/5secで1.0±0.1mm、7w/5secで2.2±0.1mm、10w/5secで2.7±0.2mmであった。考察、・今回の実験によりHo-YAGレーザーによる1w/1sec(1J)での軟組織への基本的深達度は、顎関節円板においても0.5mm以下であることが確認できた。・顎関節手術で一般に7w/1sec(7J)での条件下(単発照射)では円板には1.1mm、骨には0.9mmの深達度があることが判明した。・さらに,連続照射では相乗的ではないが深達度が増すために臨床応用で注意が必要である。・10W/1sec(10J)単発照射後3週間においては治癒の機転は認められず、レーザーの骨組織に対し慎重に使用する必要が示唆された。