抗てんかん薬バルプロ酸ナトリウムが硬組織代謝に与える影響
Project/Area Number |
16791327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Social dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 温 東北大学, 病院, 助手 (50333828)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | バルプロ酸ナトリウム / 薬物誘発性骨減少症 / 骨代謝 / てんかん / 抗てんかん薬 / 骨吸収 / 骨形成 / アレンドロネート / 骨密度 / 硬組織代謝 / 歯の形成 |
Research Abstract |
前年度の検討により、バルプロ酸ナトリウム200mg/kg背部皮下注により、成長期ラットにおいて脛骨海面骨領域及び皮質骨領域で、対照と比較して有意な骨密度の減少を認めたことから、すでに骨減少症を引き起こすことが明らかにされているフェニトイン、ゾニサミドと同様にバルプロ酸ナトリウムも骨密度減少を引き起こすことが判明した。 本年度はその病態を明らかにする目的で組織学的検索を行うとともに、強力な骨吸収阻害作用を持つアレンドロネート併用投与が本疾患の発症を予防できるか否かについて検討を行った。一方で、近年増加しつつある高齢期でのてんかん発症を視野に入れ、リタイアラットによるバルプロ酸ナトリウムの慢性投与の影響を検討した。 その結果、組織形態額的検索により、骨減少の主体は骨量の減少であり、類骨の蓄積を認めなかったことが判明し、病態は骨粗鬆症様の変化であることが明らかとなった。また、アレンドロネート併用により骨密度は大幅に増加し、十分な骨増加作用を認めた。本実験で用いた用量は、実験的骨粗鬆症において有効である用量の最少量であったことから、バルプロ酸ナトリウム誘発性骨減少症は、確立された骨粗鬆症に比較してmildな病態であることが推測された。また、リタイアラットでの検討で、成長期ラットと同様の実験系で、脛骨海綿骨領域で骨密度の減少を認めたが皮質骨領域では認めなかった。このことは、老齢期での骨代謝と若年期での骨代謝が異なっているということを反映したものと思われるが、いずれにせよ骨減少を認めたことは、バルプロ酸ナトリウム慢性投与は、小児期発症のてんかんだけではなく高齢期発症のてんかんに対してもその薬物療法に用いられた場合、骨減少症を引き起こす可能性を示唆するものである。さらに、本研究によりアルファカルシドールあるいはアレンドロネートといった骨代謝改善約が奏功することは本疾患を予防する上で極めて有効な情報となる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)