Project/Area Number |
16791337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Social dentistry
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西山 毅 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50295086)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 再石灰化 / 初期う蝕 / 表層下脱灰病変 / カゼインホスホペプチド / 特定機能性食品 / 再石灰化促進剤 |
Research Abstract |
MCP-PPは牛乳カゼインより分離されるペプチドであり、分子中に多くのカルシウム、リンを含む。MCP-PPは水に溶解したときにカルシウム、リンイオンを溶液中に放出するので、有効なカルシウム補給剤としての利用が考えられる。新しい抗う蝕活性を示す物質としての利用が期待され、昨年の研究にてMCP-PPを含む溶液において、ヒト初期う蝕病変に対し再石灰化促進的に作用することが明らかになった。よって、本年度は最も効率的に再石灰化を促進する条件設定をin vitroにて検討した。必要な治療上、抜歯されたヒト歯牙よりエナメル質を含む切片を作成し、脱灰液(0.1M乳酸、0.3mM Ca、1.8mM P、20mMHEPES、pH5.0)に37℃3日間浸漬し人工的に初期う蝕(表層下脱灰病変)を作成した後、様々な濃度のMCP-PPを含む再石灰化液に浸漬し、再石灰化の状態を検討した。再石灰化液はネガティブコントロール液(1.5mM Ca、1.9mM P、20mM HEPES、pH7.0)にMCP-PPを10、1、0.1mg/mlになるように添加した溶液を用いた。再石灰化溶液浸漬後、薄切切片を作成、マイクロラジオグラフ撮影した後、ミネラル量を計測した。分析の結果、再石灰化の獲得が前年度報告したよりもさらに低濃度においても起こることが確認された。ミネラルプロファイルを詳細に検討したところ、表層が脱落した切片において、脱灰底面にミネラルの獲得が生じていることが確認された。このミネラルの獲得が再石灰化によるものか、沈着によるものかは今回の研究においては詳細にすることはできなかった。表層が脱落した状態でのミネラルの獲得が生じることは、MCP-PPの再石灰化促進作用が表層下脱灰病変のみならず、表層がない状態、即ちう窩が形成された状態においても有効である可能性が示唆された。
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