Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度は昨年度の成果を踏まえ、異文化からの人々への妊娠・出産・産褥に対する文化を考慮したケアモデルの具現化を目指して、次の通りに研究を計画し実施した。1.実際に異文化からの人々の妊娠・出産・産褥におけるケアの経験があり、医療通訳を導入している病院助産師へ医療通訳を導入することでケアがどのように変化するのかについて面接調査を行った。その結果、日本人医療者は異文化からの人々への理解とそれに応じたコミュニケーションの変化が必要であることが明らかになった。その成果は2005年7月、The 27^<th> Congress of the International Confederation of Midwives (オーストラリア)で発表した。その内容は助産雑誌59巻12号にまとめ発表した。2.また、継続的な病院助産師への調査結果は2005年10月、The 31^<th> Annual Conference of the Transcultural Nursing Society (アメリカ)で発表した。3.これまでの病院助産師へのケアの現状と今後のケアへの示唆を原著論文として日本助産学会へ投稿中である。4.一方、「にほんごの会くれよん」を通じてケアの受け手である異文化からの女性に医療者への要望も含めたケアの体験について面接調査を実施した。2006年2月、その結果と医療者への調査結果をあわせて「にほんごの会くれよん」の研修会でも発表した。5.病院助産師、医療通訳、異文化からの女性への調査結果を集約して、臨床現場のニーズが高いと考えられるリーフレットを6種類(妊娠高血圧症、産後の生活、日本の出産文化など)、6言語(中国、タイ、タガログ、スペイン、英語、日本語)で作成し、関東周辺の病院施設などに2006年3月配布した。6.さらに今回の研究結果を発展させ妊娠・出産・産褥だけでなく、外国人への医療サービスの向上をめざし、2006年2月外国人医療サービス研究会Researching and Supporting Multi-cultural Healthcare Services (RASCH)を立ち上げ、今後は幅広く調査研究を進めて行く予定である。