Project/Area Number |
16791452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Community health/Gerontological nurisng
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柴田 真紀 Kitasato University, 看護学部, 講師 (10286370)
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Project Period (FY) |
2004 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,603,956 (Direct Cost: ¥1,603,956)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥203,956 (Direct Cost: ¥203,956)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 精神科看護 / 身体的拘束 / 行動制限 / 人権擁護 |
Research Abstract |
本研究は、随神障害者の行動制限と人権擁護をテーマとし、なかでも身体的拘束に関する看護判断に焦点を当て、研究を行った。研究概要は以下の通りである。 神奈川県内の民間病院(一施設〉で働く看護師5名(精神科経験年数1〜6年、男性1名、女性4名)を対象に、身体的拘束中の患者を看護する際に生じる葛藤について半構成インタビュー(平均面接時間50分)を行い、質的帰納的に検討を行った。 インタビューでは、葛藤と共にその時の状況および葛藤に伴う感情が語られた。対象者が語った葛藤は、医療スタッフに関連して生じる葛藤、患者に関連して生じる葛藤、自分自身の中で生じる葛藤の3群に分けられた。医療スタッフに関連した葛藤は、医療スタッフの中(医師、看護師)の拘束の必要性に対する認識のズレ、医療者間での検討の場が少ないこと等により引き起こされていた。患者に関連して生じる葛藤は、患者への情緒的な巻き込まれや、治療状況と関連して引き起こされていた。自分自身の中で生じる葛藤は、個人の信条との葛藤などであった。 看護師は、医師への報告により拘束の指示が変わることを実感しており、実瞭には拘束する責任を背負っている現実から、道徳的規範や自己理想との葛藤が生じやすいと言える。そこから「あきらめ」「無力感」を感じており、それは看護師を疲弊させていく要因となると考えられた。また、葛藤を分析する中で背後にある罪悪感が見えたが、罪悪感は看護師個人の中に押しとどめられており、その罪悪感により次第に自分の拘束の判断に自信を失わせ、判断に消極的になったり、拘束理由を明確にして合理化しようとしていたと考えられた。以上より、第三者への感情表現により葛藤に向き合う揚を提供し、自分の中にどのような葛藤が起こっていたのかを受け止められうと、拘束の判断が多面的にできるようになるのではないかと考察した。
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