アミド基含有環状抽出剤の新規合成による白金族リサイクル技術の革新的開発
Project/Area Number |
16F16353
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Environmental conscious materials and recycle
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
柴山 敦 秋田大学, その他部局等, 教授 (30323132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUNIYAPPAN RAJIV GANDHI 秋田大学, その他部局等, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2018: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2016: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | カリックスアレーン / 白金族金属 / 溶媒抽出 / 分離 / リサイクル / 白金族 / 抽出 / アミド基 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、導入する官能基によって多様な金属に配位できる新たな抽出剤を開発することである。特に、官能基の種類によって選択性を持たせることが可能なカリックスアレーンの優れた性質を最大限に生かし、白金族金属のパラジウムや白金、ロジウム等を選択抽出する新規抽出剤の開発を目指す。平成29年度に関しては主に以下の研究成果を得ることができた。 まず、チオアミド基をカリックスアレーンの水酸基側(-OH基)に導入するための合成実験を検討した。合成手順は次の通りである。カリックス[4]アレーンの-OH基にブロモ酢酸エチル(BrCH2COOC2H5)を作用させ、エステル基(-COOC2H5基)を導入した。その後、1級アミンのn-オクチルアミン(C8H17NH2)を-COOC2H5基と反応させることで、アミド基(-NH-C(=O)-基)へと変換した。さらに、ローソン試薬を用いて、-NH-C(=O)-基の酸素元素(O)を硫黄元素(S)へと硫化することで、目的物として定めたチオアミド基含有カリックス[4]アレーンを高収量・高収率で合成することに成功した。次いで、合成したチオアミド化体の白金族親和性および抽出能力を評価するために、パラジウムや白金、ロジウムの各単独あるいは混合塩酸溶液からの抽出実験を行った。その結果、今回合成した抽出剤は、パラジウムに高い選択性と親和性を有することがわかった。さらにスロープ解析を使った考察により抽出モデルを検討した結果、抽出剤とパラジウムの化学量論比が抽出剤:金属=1:1で抽出していることを確認した。また、抽出剤と金属イオンがキレート錯体を形成してパラジウムを捕捉するという抽出メカニズムについても、赤外吸収スペクトルを使って解明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回合成したチオアミド基を有するカリックス[4]アレーン抽出剤に関しては、白金族金属のパラジウムに対する選択的な親和性、抽出性を有していることがわかった。さらにパラジウムの抽出メカニズムに関する各種の解析結果から、抽出モデルと化学量論的な抽出機構を大まかに明らかにすることができた。以上の結果より、研究は計画通りに進展し、全体を通して期待した成果が得られていると考えている。また現在は、自動車排ガス触媒を酸浸出し、この浸出液からの抽出実験に加え、逆抽出や抽出剤の再利用性を考慮した実験を計画するなど、研究は当初予定通り、順調に進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、合成したチオアミド基修飾カリックス[4]アレーン抽出剤の選択性を確認・検証するために、自動車排ガス触媒に使用される金属を選定し、塩酸に溶解したモデル溶液を使って抽出能力を評価する。これにより白金族金属への抽出能力やパラジウムをはじめとする白金族金属への抽出特性を明らかにする。さらに、自動車排ガス触媒由来の酸浸出液を対象に、パラジウムを抽出するための最適条件を調査し、効率的な抽出条件を実験的に究明する。また、逆抽出に使用する剥離剤の検討や抽出剤の再利用性に関して検討を重ね、抽出プロセス全体を通した条件の解明を試みる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)