Project/Area Number |
16H00044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学・心理学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
後藤 悠里 名古屋大学, 学生相談総合センター, 学生相談員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2016: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
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Keywords | 障害者差別解消法 / 合理的配慮 / 意識調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、大学において、教職員に合理的配慮という概念を理解させるという課題に直面している。先行研究では合理的配慮の概念の整理はなされているものの、社会の構成員が合理的配慮をどのように理解し、受容しているかについて問われていない。本研究の目的は、現在の日本社会において合理的配慮の概念がどのように理解されているのかを明らかにすることによって、より良い研修のあり方を提言することである。そこで、クラウドソーシングを行う会社の登録者に対し、合理的配慮の理解のされ方、受容の程度などを質問紙によって尋ね、1,236人から回答を得た。 合理的配慮について、「知っている」と答えたのは3分の1に過ぎなかった。多くの回答者が合理的配慮を周知する取り組みが不十分だと感じており、その理由として啓発活動自体の情報周知を入手できなかったことを挙げている。 また、合理的配慮に当たりうる場面を60パターン挙げ、配慮をしたほうが良いか尋ねたところ、すべての事例においてしたほうが良いという回答が得られた。しかし、詳細に見ると、回答の傾向には違いがある。そのひとつとして、精神障害者や知的障害者に対する配慮について、身体障害者に対する配慮に比べ、回答者の中にばらつきが見られた。 調査によって以下の2点が明らかになった。第1に、研修については、まずもってより多くの人に情報を伝えることが肝要であることである。紙媒体だけではなくWebでの広報活動を行うことが考えられる。第2に、研修においては身体障害よりはむしろ、そのほかの障害についての知識や情報の提供を行う必要があることである。さらに、本調査からにおいては、人々は配慮の提供を拒否しているわけではないことが示唆された。適切な情報提供方法、情報の内容の精査によって、社会構成員に合理的配慮概念をより理解させ、受容させていくことが可能なのではないだろうか。
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