鳥類における受精過程のライブイメージング技術開発と教材への展開
Project/Area Number |
16H00473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学B
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
市川 佳伸 静岡大学, 技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥450,000 (Direct Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2016: ¥450,000 (Direct Cost: ¥450,000)
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Keywords | ウズラ / 受精 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究の目的 鳥類の受精メカニズムについては、生理定期な特徴や技術的な課題から、精子が卵子を被う卵膜に結合した後、卵細胞内に侵入するまでの過程の仕組みや関連する分子は不明である。本研究ではウズラを用いて、卵膜に精子が結合し、孔を形成する過程や精子の運動性の変化をin vitroで観察可能なライブイメージング技術を開発し、視覚的に鳥類の受精を理解出来る実験教材を提供することを目的とした。 2. 研究の方法 実験材料としてウズラ(Coturnix japonica)の卵と射出精子を使用した。まず、精子が卵膜に結合して孔を形成する過程について培養しながら顕微鏡観察が出来るような小型チャンバーを試作し、デジタルカメラを使用して精子の運動性と孔の形成過程のリアルタイム観察を行った。次に、実際の受精過程における精子と卵の相互作用について、受精卵を免疫組織化学染色法により観察することにより、形態学的解析を行った。 3. 研究の成果 作製したチャンバーを用いて卵から単離した卵膜と精子をインキュベートし観察した結果、卵膜に精子の頭部が結合し運動している様子が観察された。結合の後10分程で卵膜に孔が形成されていく様子が観察されたが、精子は孔を通過することは無かった。また受精卵のパラフィン切片を観察した結果、胚盤の部分では卵膜に孔が形成されており胚盤内に侵入した精子が観察された。しかし、胚盤以外の部分では卵膜に孔が形成されているが精子はそこに留まったまま卵細胞内に侵入していなかった。この結果は、精子は胚盤の部分においてのみ卵膜を通過して卵細胞内に侵入するということを示している。本研究により、ウズラの精子が卵膜に結合し孔を形成するまでの過程を観察し、またその技術を確立することができた。今後の受精メカニズム解明や実験教材への応用につなげたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)