Project/Area Number |
16H00494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅰ
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南 いく子 京都大学, 医学部附属病院薬剤部, 技術系職員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2016: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | 院内製剤 / レボチロキシン / 品質管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】レボチロキシンナトリウム(LT4)は、甲状腺ホルモンとして甲状腺機能低下患者に投与される。本邦で販売されているのは経口剤のみであり、経口投与不能患者に対しては院内製剤LT4坐剤を使用することが多い。そこで本研究では、LT4坐剤の投与量と甲状腺機能を評価し、LT4坐剤至適投与量を探索することを目的に研究を行った。また、LT4坐剤における製剤学的安定性についても検討を行った。 【方法】平成23年4月から平成28年12月までに京都大学医学部附属病院に入院した患者のうち、LT4錠剤・坐剤を投与された患者をレトロスペクティブに調査した。甲状腺機能は同じ投与量を14日以上投与した際の検査値で評価した。統計解析は薬剤の効果(Free T4濃度〔FT4〕をLT4投与量で除した値、FT4/投与量比)については二元配置分散分析、LT4坐剤至適投与量については回帰分析を実施した。LT4坐剤の安定性試験は、外観変化、有効成分量の測定、融点測定を経時的に実施し評価した。保存は2つの条件下で行った(冷所、室温)。 【研究成果】患者は総数12名であった。薬剤投与量に対する効果について検討したところ、FT4/投与量比は錠剤(中央値=1.64)が坐剤(中央値=0.46)より有意に高かった。次にLT4坐剤至適投与量について、算出した回帰式からFT4が正常域に入るLT4量を推定した。その結果、錠剤は25-120μgであったが、坐剤は146-300μgとなった(本研究は上限を300μgとした)。以上より、FT4/投与量比は錠剤よりも坐剤のほうが低く、坐剤で目標のFT4を達成するためには、錠剤と比べてより多くの投与量が必要である可能性が示唆された。また安定性試験の結果、成分含有量については冷所、室温ともに調製後56日まで95%以上を保っており、融点及び外観についても変化は認められなかった。
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