Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
私共は、β-カテニン非依存性経路を活性化する代表的リガンドであるWnt5aに着目して、Wnt5aタンパク質を精製し、その翻訳後修飾の意義を明らかにするとともに、Wnt5aによる細胞内シグナル経路の活性化機構も解明してきた。免疫組織学的解析により、Wnt5aの発現は癌の悪性度や予後不良に相関することも明らかにした。また、抗Wnt5aポリクローナル抗体とモノクローナル抗体を作製して、これらの抗体が胃癌細胞の転移能を抑制することをin vivo転移モデル実験において示した。さらに、私共はWnt5aとその受容体Ror2のコンディショナルノックアウト(cKO)マウスを作製し、本cKOマウスをデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性腸管炎症モデルに用いて、Wnt5aシグナルと炎症との関係を解析した。その結果、潰瘍部の腸管間質領域において線維芽細胞から分泌されたWnt5aが、Ror2を発現している樹状細胞(DC)からのインターロイキン(IL-12)の分泌を促進し、ナイーブT細胞からTh1細胞への分化を増強する結果、腸管炎症病態の増悪化に関与することを明らかにした。本研究ではこれまでの研究成果を基盤にして、炎症を背景とした発がんにおけるWnt5a発現の意義を明らかにする。さらに、Wnt5aシグナルを阻害することにより、がんと炎症を同時に抑制できる化合物探索のためのスクリーニング系の開発も行う。私共の研究室には、これまでに築き上げてきたWnt5aに関する種々のアッセイ系が完備されており、それらを用いることにより、Wnt5aシグナルの異常によるがんと炎症の悪性化の分子機構の全貌を理解するための研究が可能である。4月から本研究を開始したが、基盤Sが採択されたため、基盤Aにおける本研究計画を廃止した。基盤Sにおいて、新たな研究計画とともに本研究計画を引き続き行うこととなった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Remarks (1 results)
J. Cell Sci.
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