Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
平成28年度に得られた結果、すなわちBLM処理したFli1+/-マウス由来皮膚線維芽細胞におけるIL-33過剰産生のメカニズムを明らかにするため、まず無処置の野生型マウスおよびFli1+/-マウス皮膚組織におけるIL-33の発現をreal-time PCRおよび免疫組織染色を用いて検討した。その結果、無処置のFli1+/-マウス由来皮膚組織におけるIL-33 mRNAは野生型マウスと比較して有意に増加しており、かつFli1+/-マウスの皮膚組織、とりわけ皮膚線維芽細胞においてIL-33の強い発現がみられた。これらのデータを踏まえて、無処置の野生型マウスおよびFli1+/-マウス由来皮膚線維芽細胞におけるIL-33の発現をreal-time PCRおよびWestern blotで検討したところ、いずれもFli1+/-マウス由来皮膚線維芽細胞においてIL-33の発現は有意に増加していた。次に Fli1がIL-33の発現を直接的に制御するか否かにつきクロマチン免疫沈降法で検討したところ、皮膚線維芽細胞においてFli1はIL-33遺伝子のプロモーター領域に結合することでIL-33の発現を直接的に制御することが示唆された。さらに皮膚線維芽細胞においてIL-1βがIL-33の発現を誘導することから、IL-1βがFli1のIL-33遺伝子のプロモーター領域への結合に影響を及ぼすか否かについてもクロマチン免疫沈降法で検討したところ、IL-1β刺激によってFli1はIL-33遺伝子プロモーター領域から解離することが示された。以上の結果より、Fli1はIL-33の強力な抑制体として機能し、強皮症皮膚線維芽細胞におけるFli1の恒常的発現低下がIL-33の発現に関与する可能性が示された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。