π-ベンジル錯体を鍵中間体とするベンゼン環の脱芳香族的官能基化反応の開発
Project/Area Number |
16H07291
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武藤 慶 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (60778166)
|
Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
|
Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 有機合成化学 / 有機金属化学 / 脱芳香族化 / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベンゼン環は有機分子における最頻出骨格であり剛直な平面構造をもつ。さらに芳香族安定化効果により種々の有機反応に対し安定である。芳香族求電子置換反応や触媒的クロスカップリング反応の進展により、芳香環の水平方向への化学修飾が容易になってきている。しかし、芳香環の垂直方向への化学修飾、すなわち脱芳香族的官能基化反応の開発は未だ報告例が限られる。このような脱芳香族的変換反応の実現は、ユビキタス骨格であるベンゼン環から三次元骨格をもつ分子の新規合成法となるため、有機合成化学の力量を押し上げることが期待できる。これまでに知られる脱芳香族的反応では、Birch還元や遷移金属触媒を用いた水素化が知られるが、これらの手法では芳香族性を壊しながら炭素置換基を導入することはできない。置換基の導入を伴う反応としては、主にフェノールやインドールなどの電子豊富芳香環に限られ、それ以外の芳香族分子に対する当該手法は少ない。本研究では、変換困難な芳香族分子群に対し芳香環上の置換基切断を起点する戦略に基づき触媒的脱芳香族的官能基化の開発を行った。 具体的にはベンジルアルコール類と有機スズを化合物との脱芳香族的官能基化の開発をおこなった。ベンジルアルコール類は天然に豊富に存在する安価で低毒性な分子群であり、多くの有機分子骨格にみられる。ベンジルアルコール類の脱芳香族的官能基化を実現するにあたり、遷移金属触媒を用いてベンジル位C-O結合の切断を起点とする戦略に着目した。一般にC-O結合は反応性が低く、この結合切断を促進する触媒開発が重要となる。検討の結果、C-O結合の切断と脱芳香族的に置換基導入を可能にする高効率な触媒を見出すに至った。有機スズ化合物以外の求核剤が反応することも明らかになった。以上のことから研究は当初の期待以上に進展した。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Report
(1 results)
Research Products
(11 results)