Project/Area Number |
16J01135
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 裕也 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エンタングルメント / 量子多体系 / 非フェルミ液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、非フェルミ液体という強相関量子多体系についてエンタングルメントを用いてその性質の解明を試みるものである。今年度は、前年度に予備的な結果が得られた研究成果を論文としてまとめ、アメリカ物理学会のPhysical Review B誌に発表した。これは東京大学理学系研究科物理学専攻の古川俊輔助教との共同研究であり、エンタングルメント比熱(系の基底状態のエンタングルメント・スペクトルを用いて定義される仮想的な系の比熱)という量が実際の物理系の比熱と対応するという予想の下に、エンタングルメント比熱の温度依存性を検出する方法としてエンタングルメント・スペクトルの分布関数を用いることを提案したものである。具体的には、エンタングルメント比熱の温度依存性のべきに対応したエンタングルメント・スペクトルの分布関数を解析的に導出し、実際にその分布関数を用いることでエンタングルメント比熱の温度依存性が検出できることを示した。さらにこの結果を非フェルミ液体と考えられているν=1/2 量子ホール系に適用することで、この系のエンタングルメント比熱が非フェルミ液体的な非自明な温度依存性を持つことを示唆する結果を得た。 この結果は、研究課題である「エンタングルメントを用いた非フェルミ液体の特徴づけ」へ向けた重要な第一歩であり、今後はこの結果(分布関数)を用いて非フェルミ液体相を示すさまざまな模型を解析していくことが可能になる。 さらに、今年度はその他にも(非フェルミ液体にとらわれず)量子多体系のエンタングルメントに関する研究を行い、論文を発表している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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