Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
これまでの研究を踏まえ、本年度では宇宙論的な制限から超対称性に直接の制限をつけることを目指した。具体的には、超対称ダークマターを考えることで、超対称粒子の質量に上限をつけることを目標とした。最小超対称標準模型においては、陽子の安定性を損なわないため、また大きすぎるニュートリノの質量を抑制するため、一般にR-parityと呼ばれるZ2対称性が課される。このR-parityの下、通常の粒子は正のパリティを持ち、超対称粒子は負のパリティを持つ。そのため、最軽量超対称粒子は標準模型の粒子に崩壊することができず、安定となる。したがって、宇宙の温度がかつて十分高かったことを要求すれば、この最軽量超対称粒子は今でも宇宙に残っていることになる。すなわち、最軽量超対称粒子は宇宙のダークマターである。このとき、最軽量超対称粒子の残存量は、Thermal freeze-outと呼ばれる機構で決定される。Thermal freeze-outでは、最軽量超対称粒子の対消滅断面積に反比例した形でダークマターの残存量が与えられる。もし残存量が現在のダークマターの量より少なければ、余分なダークマターを非熱的に作ればよいが、多すぎると宇宙全体を薄めなければならず、最小超対称標準模型の枠内では解決できない。一般に質量が重ければ重いほど対消滅断面積は小さくなるので、残存量が多すぎないということを要求すれば、最軽量超対称粒子の質量に上限がつく。我々は、QCDの非摂動効果を用いることで、最軽量超対称粒子の質量が数100TeV程度まで重くなりうることを示し、論文誌に発表した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Physics Letters B
Volume: 789 Pages: 220-227
10.1016/j.physletb.2018.12.038
Physical Review D
Volume: 99 Issue: 8 Pages: 083520-083520
10.1103/physrevd.99.083520
Journal of High Energy Physics
Volume: 2019 Issue: 4 Pages: 107-107
10.1007/jhep04(2019)107
Volume: 2018 Issue: 7 Pages: 128-128
10.1007/jhep07(2018)128
Physics Letters
Volume: B781 Pages: 306-311
10.1016/j.physletb.2018.03.088
Volume: 771 Pages: 327-331
10.1016/j.physletb.2017.05.071
Phys. Rev. D
Volume: 印刷中
Progress of Theoretical and Experimental Physics
Volume: 2017 Issue: 3 Pages: 1-21
10.1093/ptep/ptx019