Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2017: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒスタミン食中毒は, ヒスタミンを過剰に蓄積した食品を喫食することにより発生しアレルギー様症状を呈する。食品へのヒスタミンの蓄積はヒスタミン生成菌の働きによって起こるため, 本食中毒の防止にはヒスタミン生成菌の制御方法の確立が必要であると考えられる。そこで本研究では, ヒスタミン食中毒の原因となるヒスタミン生成菌の制御法としてバクテリオファージの利用に着目し, バクテリオファージを用いたヒスタミン生成菌制御の方法について研究した。 平成29年度は, 過去に分離したMorganella morganiiに感染するバクテリオファージの混合物を用い, 耐性菌の出現抑制と食品でのヒスタミン生成菌ならびにヒスタミン蓄積抑制効果について研究を行った。バクテリオファージ混合物の耐性菌出現抑制効果については液体培地の系で実験を行った。バクテリオファージ混合物で宿主細菌を殺菌した結果, 混合物を構成する各バクテリオファージを単独で処理した場合と比較して耐性菌の出現率が有意に減少した。 次に, 食品におけるバクテリオファージ混合物の殺菌効果について検証した。ツナフレークにMorganella morganiiを接種しバクテリオファージ混合物を処理した結果, ツナフレーク保存中の生菌数とヒスタミン蓄積量がバクテリオファージ混合物未処理区と比較して大きく減少した。また, 同様の実験を生のマグロ魚肉を用いて行ったところ, ツナフレークでの実験よりも抑制効果は減少したが, バクテリオファージ混合物は魚肉中のMorganella morganiiの発育とヒスタミン蓄積を大きく抑制した。 以上, 平成29年度はMorganella morganiiのバクテリオファージ耐性菌の出現抑制に対する知見を得ることに成功し, バクテリオファージ混合物を用いた処理による魚肉のヒスタミン蓄積抑制効果を示した。
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