Project/Area Number |
16J03549
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 康介 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 量子熱力学 / 量子情報理論 / 情報幾何 / Quantum speed limit / 仕事率 / 複数物理量の熱機関 / 非i.i.d.スケーリング / 有限サイズ効果 / 情報幾何学 / 高次漸近論 / 強い大偏差原理 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数保存量を持つ量子熱機関の最適性能に対する熱浴の有限効果について、前年度に主結果を出し、プレプリントを発表していたが、技術的に不正確な部分があった。これについて、より数学的にも精密にし、物理的な洞察も加え、論文をPhysical Review Eで発表した。 さらに、この研究で取り扱えなかった、動作時間を考慮した熱機関の性能、即ち仕事率の評価について、量子情報的知見を応用して基礎的な視点からアプローチする研究を、京都大学の宮寺隆之准教授と共同で開始した。まず一般的な量子系をエンジンとして扱い、仕事率の限界について従来の研究よりも普遍的な結果を与えることを主眼とした。そのために、作業物質となる量子系と、仕事の取り出し口となる系だけでなく、これらの相互作用のスイッチまで含めて自己完結した定式化をした。そして、時間とエネルギーの不確定性関係に基づく、量子限界としての仕事率のバウンドを導出した。このバウンドにより、相互作用をコントロールする系のエネルギーゆらぎとコヒーレンスが、仕事率を得るために必要なリソースであることが明らかになった。また、時計駆動される量子マシンの具体的なモデルでの最大仕事率を計算し、今回得られたバウンドの定数倍程度を達成することを示した。これらの結果をプレプリントで発表し、論文誌に投稿中である。 さらに、発表には至っていないが、次の段階として、相互作用も考慮して、より熱力学的な構造を反映した解析を進めている。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|