求核的なアリルパラジウム種を用いた新規二酸化炭素固定化反応の開発とその応用
Project/Area Number |
16J03988
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樋口 裕紀 北海道大学, 大学院生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2016: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 二酸化炭素 / パラジウム / カルボキシル化 / 触媒反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
二酸化炭素(CO2)は地球上に豊富に存在する安価で毒性の低い一炭素資源であり、合成原料として魅力的な化合物である。近年、CO2を有機化合物に組み込む反応(CO2固定化反応)の開発研究が盛んに行われているが、CO2の化学的反応性が低いため、厳しい反応条件を要する例が多い。そのような背景の下、報告者は以前にCO2を用いたパラジウム触媒によるアリルアルコールのカルボキシル化反応を開発した。本反応では求核性のアリルパラジウム種が系中に生成した後、CO2に求核付加していると考えられ、温和な条件下(室温、1気圧)でCO2との炭素‐炭素結合形成が可能であることが特筆すべき点である。そこで報告者は、上述の反応の基質適用範囲拡大を目指し、ビニルシクロプロパン化合物に対するカルボキシル化の検討を行った。その結果、電子求引基を有するビニルシクロプロパンを基質とした場合に、対応するβ,γ-不飽和カルボン酸誘導体が収率良く得られることを見出した。緩和な反応条件下(室温、1気圧)にも関わらず、炭素‐炭素結合の切断およびCO2による炭素‐炭素結合の生成が一挙に進行することは興味深い結果である。また、上述の反応をもとに、アレン部位を有したヨウ化アリールに対する環化カルボキシル化反応の開発にも成功した。加えて、本環化カルボキシル化反応の応用研究に取り組んだ結果、多くの生物活性化合物に含まれる3-置換インドール-2-カルボキシラート骨格の新たな形成法を開発することができた。さらに、本環化カルボキシル化を用いて、β-カルボリンアルカロイドの一種であるstrychnocarpineの全合成も達成した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)