クラスター磁性体における局所電荷揺らぎを利用した新奇電子物性の創成
Project/Area Number |
16J04048
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原口 祐哉 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2016: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | クラスター磁性 / 層状化合物 / 電荷不均化 / スピンフラストレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
クラスター磁性体における新奇電子物性の開拓を目指し、新規クラスター磁性体の開発および物性研究を行った。主な成果は、クラスター磁性体Nb3Cl8における特異な電荷不均化を発見したことである。 塩化鉛を用いた溶媒蒸発法によりNb3Cl8の大型単結晶の育成に成功した。Nb3Cl8の単結晶を用いた帯磁率測定により、常磁性状態から急激に非磁性へと変化する相転移を発見した。X線回折およびNMR測定結果の分析によって、この非磁性化は常磁性の [Nb3]8+から非磁性状態の[Nb3]7+および [Nb3]9+へと電荷不均化することによって引き起こされていることが明らかとなった。またその電荷不均化は層間の電荷移動により面内一様秩序状態になり、 [Nb3]7+および [Nb3]9+層が交互に積層する特異な電荷秩序状態となっていることが明らかになった。さらに、超音波処理により結晶サイズをナノスケールにまで小さくすることでその相転移が消失することがわかった。この層間電荷不均化現象は、クラスター磁性に特異な電荷の揺らぎと構造不安定性の協奏効果によりもたらされたものであると考えられる。 また、クラスター内の電荷揺らぎの大きさを制御するために、格子パラメータの制御を目的としてLi2In1-xScxMo3O8の合成を行い、それらの物性測定を行った。低温領域で部分的に常磁性モーメントが消失するような振る舞いが観測された。このようなモーメントの部分消失は三角格子上のボンドランダムネス効果によるバレンスボンドグラス状態の形成によって引き起こされたものであると考えられる。 さらに、Cd2Re2O7における電荷制御とその物性研究を行った。Fドープ量とその構造相転移温度の系統的な変化から、その構造相転移がテトラマースピンシングレットの不安定性により駆動されていることがわかった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)