Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は,南海トラフの掘削試料の分析から,付加体中の巨大分岐断層上盤の発達史の解明を行ったものである.研究計画では,最高被熱温度の推定・熱年代推定・堆積年代推定を実施予定であった.熱年代測定に関しては,メルボルン大学のコーン教授に予察的に堆積物からの測定が可否の判断を依頼し,測定に適していないことが判明した.よって,本年度は最高被熱温度推定と堆積年代測定を行った.南海トラフの試料はIODP第348次研究航海によって採取された海底下875‐3058 mのカッティングス試料(5 m毎500cc採取・粗割済み)を用いた.最高被熱温度推定であるビトリナイト反射率の測定のために,カッティングス試料を更に粉砕・ふるい掛け・洗浄し,重液 (SPT) を用いてビトリナイトを分離,樹脂包埋後,鏡面研磨し,反射率の測定を行った.データ密度は10 m毎,深部(海底下2300m以深)は5m毎に測定を行った.ビトリナイト反射率は,ビトリナイトとは熱に対して不可逆にも関わらず,海底下1300-1500 m と海底下2400-2600 mに逆転の傾向を示した.堆積年代測定には,電力中央研究所において,分離したジルコン粒子を用いて LA-ICP-MSによるU-Pb年代測定を行った.データ密度は約100mに一つずつ行った.結果として,海底下2605.5 m におけるジルコン粒子の最若値が約7 Ma であったことから,その深度における堆積年代が約7 Maより若いことを明らかにした.これらの分析結果から,海底下2400-2600 m において逆断層による変位,逆断層から区切った区間古地温勾配が現在の推定されている地温勾配より高いことから炭質物の被熱場の推定,そしてジルコンU-Pb年代測定から得られた最頻分布から堆積物の起源の推定を行うことで,付加体の発達史へ迫った.
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2017 2016
All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (10 results) Book (1 results)
Island Arc
Volume: e12193 Pages: 1-11
Volume: e12198 Issue: 4 Pages: 1-10
10.1111/iar.12198