植物メリステムにおける幹細胞維持機構の発生遺伝学的研究
Project/Area Number |
16J04197
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Genetics/Chromosome dynamics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 千絵 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2017: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2016: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | メリステム / イネ / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は動物とは異なり、生涯を通じて葉や花などの新しい器官を作り続けるという興味深い特性を持っている。これは、茎の先端に存在する分裂組織「メリステム」において幹細胞が常に一定数維持されつつ、器官形成に必要な細胞群を供給することによって成り立っている。本研究は、単子葉植物であるイネを材料に、この幹細胞維持機構を分子レベルで明らかにすることを目的としてきた。本年度は、昨年度までの解析によりメリステムにおける幹細胞維持に関与することが示されているASP1遺伝子に着目した解析を行った。 イネのメリステムにおける幹細胞維持には、FON2遺伝子およびその下流に存在するシグナル伝達系FONシグナリングが関与することが報告されている。fon2変異体では幹細胞数の増加が観察されるが、fon2 asp1では、fon2単独変異体と比較して著しく幹細胞数が増加した。一方で、asp1単独変異体では幹細胞数の変化はほとんど見られなかった。これは、fon2変異とasp1変異とが相乗的な効果を持つことを示しており、ASP1がFONシグナリングと関連しつつ幹細胞増殖を抑制する可能性を示唆している。さらに、マイクロアレイ解析によってASP1とFONシグナリングが制御する遺伝子を網羅的に比較すると、ASP1が制御する遺伝子の半数程度がFONシグナリングの制御する遺伝子と一致することが明らかとなった。ASP1はFONシグナリングに関与する遺伝子群を含め、複雑な遺伝的ネットワークを構成する多数の因子を制御することで、幹細胞維持に機能していると考えられる。ASP1様の遺伝子については、植物の発生制御において様々な機能を持つことが報告されてはいるものの、発生の要ともいえる幹細胞維持に機能することを明確に示したのは本研究が初である。現在、これら研究結果をまとめた論文を投稿中である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)