レニン遺伝子はいかにして血圧の変化を感知するのか?:新規エンハンサー機能の解明
Project/Area Number |
16J04305
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
牛木 亜季 筑波大学, 生命環境系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2016: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | レニン・アンジオテンシン系 / 高血圧 / 遺伝子改変マウス / エンハンサー / レニン-アンジオテンシン系 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の培養細胞を用いた詳細な解析結果から、レニン遺伝子の高血圧応答性候補領域を2箇所にまで絞り込んだ(レニン遺伝子転写開始点上流約20-kbと5-kbに位置する領域)。そこで、本年度は、これら候補領域をそれぞれ欠失した内在遺伝子座をCRISPR/Cas9ゲノム編集法により作成した。このうち、上流5-kbに位置する領域を欠失したマウスでは、正常血圧状態において、レニン遺伝子の発現量が低下していたことから、同領域はエンハンサーであることが明らかとなった(以降-5Eと呼ぶ)。さらに、同欠失型遺伝子座を、当研究室で以前に作成された高血圧モデルマウス、及び正常血圧マウスに遺伝学的に導入し、発現解析を行った。その結果、-5Eを欠失した遺伝子座では、高血圧応答性が消失していた。以上の結果から、-5E領域がレニン遺伝子の高血圧応答性において、中心的役割を果たすエンハンサーであることが明らかとなった。 次に、同領域に作用するシグナルについて解析を進めた。高血圧応答性に関わる経路として、「血管壁への圧負荷」と「昇圧ペプチド(アンジオテンシンII;AII)シグナル」が予想された。そこで、これら経路の作用を区別するために、血管拡張剤(圧負荷の解除)、またはAII受容体の阻害剤(圧負荷およびAIIシグナルの解除)を高血圧マウスに投与し、内在レニン遺伝子の発現量を定量した。その結果、AII受容体の阻害剤を投与した場合にのみ、発現量が正常血圧レベルにまで回復した(野生型内在遺伝子座)。一方で、-5Eを欠失した場合には、十分な発現量の回復がみられなかった。 以上の結果から、AIIシグナルが-5Eのエンハンサー活性を減弱させることで、レニン遺伝子の発現量を低下させる機構を明らかとした。本研究結果は、Molecular and Cellular Biology誌にて発表された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)