電荷秩序に誘起されるスピン液体相の探索と超伝導発現機構の研究
Project/Area Number |
16J04507
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南舘 孝亮 北海道大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 分子性固体 / 有機導体 / BETS / 磁性 / 磁気共鳴 / 輸送特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、有機伝導体λ-(STF)2GaCl4(GaCl4塩)、λ-(STF)2FeCl4(FeCl4塩)を対象とし、GaCl4塩の常圧下に観測されたスピン液体相のフラストレーション機構、及び付近の超伝導相における、電気、磁気的な性質を明らかにし、それらの関係性解明を目指すものである。本年度は両塩に対して、低温の局所情報を得るため、理化学研究所の渡邊功雄研究員と共同してGaCl4塩に対して0.3 Kでのμ-SR測定を、FeCl4塩に対しては所属機関の福岡脩平助教と共同してメスバウアー分光測定を行った。GaCl4塩は昨年度よりも低温の0.3 Kにおいても反強磁性状態に対応したμ-SRスペクトルの振動が見られず、極めて強い反強磁性秩序の抑制効果によって常磁性を低温まで維持することがわかった。μ-SRスペクトルの温度、磁場依存性は測定できなかったが、今後補完されることで短距離秩序の有無などの詳細な性質が明らかになると考えられる。また、FeCl4塩の局所磁化率の温度依存性が明らかになり、GaCl4塩には見られない反強磁性相が、FeCl4塩に現れることの起源として、dスピン間の相互作用が寄与している可能性が高いことを示した。 また、上記の塩に近い組成を持つ、新奇π-d系物質κ-(STF)2FeCl4、λ’-(STF)2FeBr4を発見し物性評価を行った。前者は134K以下で磁気的秩序を伴わずに絶縁化することがわかった。後者については1GPaの圧力下では50Kに絶縁化転移、2GPa以上の圧力下で超伝導相が発見された。今後これらの物性を調べることにより、電荷揺らぎと超伝導、スピン液体相の体系的な理解へと発展していく可能性がある。 本年度の成果について、1件の国内会議、4件の国際会議で発表したほか、FeCl4塩の磁気的性質について雑誌Physical Review Bに発表した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)