Project/Area Number |
16J05234
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三澤 賢明 熊本大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2016: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 第一原理分子動力学シミュレーション / 表面界面化学反応 / 金属酸化物 / 反応ダイナミクス / リチウムイオン電池 / 負極活物質 / アモルファス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は(1)遷移金属酸化物表面における分子の吸着反応の第一原理分子動力学シミュレーション(2)ケイ素のドープによって解離反応における負荷が緩和されるメカニズムの調査 に着手した。 (1)遷移金属酸化物表面における表面科学反応を詳しく調査する目的で、三酸化モリブデン表面における硫黄分子の反応性と表面酸素欠陥の影響に関する第一原理分子動力学シミュレーションを行った。その結果、分子の反応性を高めるためには、金属酸化物表面における欠陥の存在が必要不可欠であることを、反応経路に沿った自由エネルギー変化の観点から明らかにした。さらに、二硫黄を用いた場合は欠陥サイトにおいて安定な吸着状態が得られたのに対し、八硫黄は欠陥の有無によらず金属元素との結合性が現れないことがわかった。本シミュレーションにより得られた反応特性は、遷移金属元素における局在化したd軌道およびスピン偏極などの条件設定によらず不変であり、先行研究とも矛盾しない結果を与える。 (2)ケイ素のドープによって解離反応における負荷が緩和されるメカニズムを調査するため、Population解析の手法に基づき、ある原子間にはたらく共有結合性の強さの指標となるBond overlap population(BOP)を解析した。吸着状態におけるBOPを調べた結果、ケイ素をドープした酸化鉄においては不純物のない酸化鉄に比べてリチウム-酸素原子間の共有結合性が弱くなっていることが明らかになった。それに対し、ケイ素-酸素原子間のBOPは鉄-酸素、リチウム-酸素間のものに比べて明確に高い値を示していた。これらの結果から、不純物としてドープされたケイ素が電極中の酸素と共有結合性の高い強固な化学結合を作ることにより、電極の構造的安定性を向上させるとともにリチウムイオンの吸着強度を弱め、より可逆的な表面吸着・解離反応を実現していることが明らかになった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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