Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究はヒトiPS細胞を用いて機能的に成熟した肝組織を構築し、肝機能評価系へと応用することを目的としている。これまでに、ヒトiPS細胞から肝前駆細胞(肝細胞と胆管上皮細胞への二分化能を持つ細胞)や肝類洞内皮細胞、肝星細胞の樹立に成功した。また、ヒトiPS細胞由来肝構成細胞を用いた2次元および3次元共培養系を確立し、ヒト肝臓モデルを作製した。本年度においては、樹立したヒト肝臓モデルの有用性を検証した。肝疾患においては、肝細胞が障害物質を取り込み、代謝することによって肝細胞死が誘導されることから、まず、ヒト肝臓モデルに肝障害物質であるアセトアミノフェンやCCl4を添加してその影響を解析した。すると、肝障害物質の濃度依存的に肝細胞死が誘導され、肝障害物質への応答を確認することができた。肝疾患時には肝星細胞が静止状態から活性化状態へと移行し、コラーゲン等の細胞外基質を産生することで肝臓内に線維が蓄積し、肝臓は線維化する。そこで、樹立したiPS細胞由来肝星細胞に活性化誘導刺激を与えると、活性化星細胞マーカー遺伝子の発現、1型コラーゲンの産生が認められ、培養系で星細胞の活性化を誘導することが可能となった。さらに、iPS細胞に遺伝子改変技術を適用し、活性化星細胞マーカー遺伝子の下流に蛍光タンパク質をノックインしたレポーターiPS細胞を作製した。これにより、iPS細胞由来肝星細胞の活性化を蛍光を指標に簡便に評価可能になった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Methods in Molecular Biology
Volume: 1905 Pages: 131-142
10.1007/978-1-4939-8961-4_12
Stem Cell Reports.
Volume: 9 Issue: 2 Pages: 490-498
10.1016/j.stemcr.2017.06.010