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多能性維持機構における内在性レトロウイルスの寄与

Research Project

Project/Area Number 16J06139
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeSingle-year Grants
Section国内
Research Field Integrative animal science
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

下出 紗弓 (2016, 2018)  神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特別研究員(PD) (90772103)

Research Fellow 下出 紗弓 (2017)  神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特別研究員(PD)
Project Period (FY) 2016-04-22 – 2019-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2018)
Budget Amount *help
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords内在性レトロウイルス / 多能性幹細胞 / iPS細胞
Outline of Annual Research Achievements

本研究は多能性維持機構における内在性レトロウイルス(ERV)の機能解明を目的としている。本年度はウシiPS細胞樹立の条件検討を行った。レトロウイルスベクターを利用してウシ肺由来線維芽細胞にヒト初期化因子を導入し、ヒトES細胞様コロニーを得ることができた。また、ウシ凍結受精卵、線維芽細胞よりウシの初期化因子をクローニングし、これら因子をそれぞれレトロウイルスベクターに導入した。また昨年度は、ウシ内部細胞塊(ICM)および栄養外胚葉のRNA-seqデータベースの解析によりICM特異的に発現する遺伝子や内在性レトロウイルス(ERV)を特定したが、本年度はさらなる解析の結果、ICM特異的に発現するERVの中に初期化因子の一つであるNanogの結合領域をLTR内にもつものが複数あることを発見した。今後、樹立したウシiPS細胞とICMの遺伝子・ERV発現の比較を行うことで多能性維持に関与する新たな遺伝子やERVを特定する予定である。
さらに昨年度より着手しているヒトiPS細胞から栄養膜細胞への分化誘導についても引き続き培養条件の検討を行ってきた。分化誘導後の細胞の免疫染色により合胞体性栄養膜細胞マーカーであるSyncytin-1陽性多核巨細胞が複数確認できた。培養上清中へのヒト絨毛性ゴナドトロピンβ分泌も検出できた。現段階では誘導効率が低く、複数の細胞種が混在した状態であるため、今後は培養条件のさらなる検討を行う予定である。
本研究成果により、胚発生や多能性維持、胎盤形成に種特異的なERVを利用することで宿主がどのように進化してきたかを明らかにできると期待する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度はウシiPS細胞樹立の条件検討を行い、ヒト初期化因子発現レトロウイルスベクターを利用してウシ肺由来線維芽細胞からヒトES細胞様コロニーを誘導することができた。得られたコロニーについては未分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ染色陽性であることを確認済であり、今後未分化マーカー、三胚葉分化能などを評価する予定である。さらにウシの凍結受精卵および線維芽細胞からウシの初期化因子(Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc、L-myc、Nanog、Lin28)のクローニングに成功しており、これらウシ初期化因子発現レトロウイルスベクターを利用してさらにiPS細胞樹立を試みる予定である。また昨年度は、ウシ内部細胞塊(ICM)および栄養外胚葉のRNA-seqデータベースの解析によりICM特異的に発現する遺伝子や内在性レトロウイルス(ERV)を特定したが、本年度はさらに解析を行い、ICM特異的に発現するERVの中に初期化因子の一つであるNanogの結合領域をLTR内にもつものが複数あることを発見した。最終年度は樹立したウシiPS細胞とICMの遺伝子・ERV発現の比較を行うことで多能性維持に関与する新たな遺伝子やERVが同定されることを期待している。
さらに昨年度より着手しているヒトiPS細胞から栄養膜細胞への分化誘導については、合胞体性栄養膜細胞マーカーであるSyncytin-1陽性多核巨細胞が得られ、培養上清中へのhCGβ分泌も確認した。最終年度は培養条件検討をさらに進め、誘導効率を高める工夫を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後は樹立したウシiPS細胞株における未分化マーカー発現、三胚葉への分化能を確認する。ウシ初期化因子発現レトロウイルスベクターを7種類作製したため、それらを利用したiPS細胞樹立も並行して行う予定である。さらに、本研究で樹立したウシiPS細胞株と既存のウシ内部細胞塊、ES細胞のRNA-seqデータ解析結果との間で遺伝子および内在性レトロウイルス発現を比較し、多能性維持に必要となる遺伝子や内在性レトロウイルス特定を行う。
ヒトiPS細胞から栄養膜細胞への分化誘導については低分子化合物の添加量やタイミングなど培養条件の検討を行い、より効率の良い分化誘導系を確立する。誘導した合胞体性栄養膜様細胞において、ヒト絨毛ゴナドトロピンhCGβの分泌やmRNA発現を確認しているが、免疫染色による評価は条件検討段階であり、絨毛癌由来の株化細胞などを用いて検討を行い、分化誘導細胞での評価を行う。併せて、現在得られている多核巨細胞が細胞分裂不全ではなくSyncytin-1を介した細胞融合によるものであることを示すため、CoralHue monomeric Kusabira Greenを利用して細胞融合を可視化する系を確立する。分化誘導系が確立された後は、Synsytin-1など胎盤構築に関与するとされる内在性レトロウイルスの発現動態を継時的に評価する。

Report

(1 results)
  • 2017 Annual Research Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2017 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] ヒトiPS細胞由来栄養膜細胞の樹立方法の検討2017

    • Author(s)
      下出紗弓、宮沢孝幸、青井貴之
    • Organizer
      2017年度生命科学系学会合同年次大会(第40回日本分子生物学会年会)
    • Related Report
      2017 Annual Research Report
  • [Remarks] 神戸大学大学院 内科系講座 iPS細胞応用医学分野ホームページ

    • URL

      http://www.lab.kobe-u.ac.jp/gmed-ipsc/

    • Related Report
      2017 Annual Research Report

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Published: 2016-05-17   Modified: 2024-12-25  

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