Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, パイプ-チャンバー系気液二相流実験を通して, 噴火に伴う空振を用いた噴出率推定を目的としていた. 最終年度は, 可視性を改善した装置を用いた実験の実施と, 実際の火山現象の応用について, 研究を実施した. 実験では, チャンバー内の圧力変動に着目した結果, 装置のパラメータが一定であっても, 自発的にチャンバー圧力振動の周期が乱れていくことを見出した. この結果は, 既存の火山噴火モデルからは予測できないような結果である. 流れの画像解析の結果, 自発的な周期の乱れは, 過去のガス噴出によって, 流路の構造が乱されることによって生じると結論づけた. 実際の周期的噴火においては, 過去の噴火による噴出物の再堆積や, 火道の崩壊, マグマヘッドの位置の違いによって, 火道内流れの状態が乱されることが, 周期を乱すひとつの要因になると考えた. また, パイプ上端で計測したガス噴出時の空気振動にも着目した. チャンバー圧力振動にともなって発生する空気振動には二つの特徴的な周波数ピークがあり, それぞれのピークを励起するメカニズムを特定した. また, 低周波帯空気振動の振幅が, チャンバー過剰圧と良い対応関係があることを示した. この実験結果を踏まえれば, 地下の圧力 (体積) 変化にともなう地盤変動と対応のある空振シグナルを見出すことができるかも知れない, ということが考えられる. 最後に, 2015年の桜島火山活動について, 地盤変動と空振の関係を調べた. この解析の主な成果は, 連続的な灰噴火にともなうような, 微弱な空振のエネルギーが, 地盤変動と対応している可能性を示したことにある. この結果は, 当初の研究目的の達成に向けた重要な進展であった. 以上の結果から, 本実験は, 火山噴火システムを理解する上で, 重要なツールの一つとなると考えている.
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