Project/Area Number |
16J06398
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 拓矢 北海道大学, 大学院理学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 有機伝導体 / 強相関電子系 / 核磁気共鳴 / 磁性 / 超伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
FFLO超伝導状態が議論されている、非従来型の有機超伝導体λ-(BETS)2GaCl4について研究を行ってきた。これまでに13C置換したBETS分子の合成を行い、1.5K以上の常磁性相における電子状態を13C-NMR測定により明らかにしてきた。60 K以上においては隣接した反強磁性相に由来した磁気ゆらぎ、10 K以下においてはスピン密度波相に由来した磁気ゆらぎの存在を示唆する結果を得た。 今年度は超伝導ギャップの対称性を微視的な観点から明らかにするために、Heポンピングで到達可能な1.5 K以上の超伝導相において13C-NMR測定を実施した。その結果ナイトシフトが超伝導転移温度以下で減少し、超伝導のクーパー対がシングレットであることを明らかにした。さらにスピン-格子緩和時間測定からは超伝導ギャップにノードを持つことを明らかにした。これらの結果は超伝導ギャップがd波の対称性を持っていることを示唆している。今後は希釈冷凍機を用いてより低温まで測定していく予定である。低温まで測定することで、低励起のギャップ構造を捉えることができ、超伝導ギャップの対称性に関して明確な情報を得ることができる。 さらに当初の実験計画では予定していなかった、アニオンのGaCl4に着目した69Ga-NMR実験も行った。一般的に有機伝導体においては、強い2次元性のためアニオン位置にある核種は緩和時間が非常に長くNMR実験を行うことが困難であり、絶縁層の働きを調べた例はほとんどない。本研究によりGaサイトでNMR実験が可能であることを見出し、詳細な実験を行った。その結果、100K以下において13C-NMR測定で観測されたものと同様の電子状態が観測された。これは絶縁層にあるGa核が伝導層であるBETS分子のπ電子と結合していることを示し、有機伝導体における伝導面間のコヒーレンス性を議論する上で有益な情報である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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