太陽観測衛星「ひので」で探る太陽光球における対流構造と磁力線の相互関係
Project/Area Number |
16J07106
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
|
Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
大場 崇義 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2016: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 太陽 / 対流 / 磁場 / 画像回復 / 分光 / 光球 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の解析において、これまで困難であった「太陽表面における水平対流速度場」の導出に挑戦した。太陽表面の水平対流速度場を得るには、太陽縁におけるドップラー速度場を取得する必要がある。一方、太陽縁観測においては遠近法によって太陽表面の見た目の構造が圧縮されるため、実質的な空間構造の分解能が著しく劣化してしまう。そこで、空間分解能を制限している「望遠鏡の結像性能による画像劣化」を、前年度において開発した「画像回復手法」によって補正し、水平対流速度場のドップラー解析を可能にした。 解析の結果、水平対流運動の速度場が1.6 -1.9 km/s (rms)であることが見積もられた。先行研究の値と比較すると、2-3倍程度増加している。これは、本研究による画像回復手法を用いた解析手法が、水平対流運動のエネルギーの抽出に成功していることを示唆している。また、水平対流速度場の空間分布を解析したところ、ガスが沈み込んでいる「間隙」において最も高速な流れが生じていることがわかった。これは、太陽表面において放射冷却されたガスが高密化し、水平方向に対して強い圧力勾配を生成したことが原因と考えられる。 今回観測できた対流速度場の振幅は、外層大気を加熱するのに必要とされている「磁場を介した非熱的エネルギー輸送モデル」の要求値(0.7-1.5 km/s)を優に超えるものであり、これらのモデルをサポートする結果を得ることができたといえる。 本研究により、「間隙における水平対流運動の診断手法」を確立することができた。磁場は間隙に分布することから、本手法で得られる水平対流運動が磁気流体波駆動の描像を大きく変えることが期待できる。今後の研究課題として、これら水平対流運動のダイナミクスが、どのように磁気流体波を駆動しているかを同定する。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)