Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究課題では、銀河形成・進化の最盛期と呼ばれている赤方偏移(z)が2の時代をさらに10億年ほど遡ったz=3-4の時代に着目し、この時代の星形成銀河の内部構造とその環境依存性を調べることを目的としている。銀河の内部構造を調べることで、銀河に働く物理過程を特定するための重要な情報を得ることができる。本年度は主に、遠方星形成銀河の内部構造に関する研究として、z~2.5の原始銀河団領域に存在する星形成銀河について得られた高角分解能のデータ解析を行なった。このデータは、すばる望遠鏡の赤外線観測装置IRCSと補償光学装置AO188を用いた撮像観測で得られたもので、AOを用いることで0.2秒角という角分解能を達成している。さらに、AOと狭帯域フィルターを組み合わせることで、銀河のHα輝線放射領域を空間的に分解して捉えるというユニークな観測手法をとっている。Ksバンドと狭帯域フィルターでそれぞれ得られた画像をスタッキング解析し、銀河の星の連続光と星形成領域に相当する輝線放射領域の半径方向の広がりを比較した。その結果、銀河の星形成領域はその星の構造よりも平均的に広がって分布していることが分かった。この結果は、同時代の一般領域に存在する星形成銀河について得られた結果と一致しており、この時代の銀河の構造の進化は環境によらず、主に内的な要因によって進んでいるという可能性が示唆された。本年度は、z>3 の星形成銀河についてはその内部構造を調べるためのデータを得ることはできなかったが、本年度進めた研究は、z>3の星形成銀河に関する研究に直結するものである。このデータ解析の経験や得られた結果を受けて、今後z>3の銀河の内部構造を調べる研究をより発展させて進めていきたい。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Astrophysical Journal
Volume: 849 Issue: 1 Pages: 1-15
10.3847/1538-4357/aa8df3
MNRAS
Volume: 462 Issue: 1 Pages: 181-189
10.1093/mnras/stw1655