Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
昨年度に行った負の頻度依存選択の検証結果をもとに、今年度は3つの花色タイプ(青、赤、白)における訪花昆虫相と、花被片の食害の有無を検証した。結果、最も訪花頻度の高い昆虫は、ハムシ科やケシキスイ科を含む甲虫類であり、色素を含んだ花よりも、白花に好んで訪花していた。また、甲虫類は体に花粉をつけながら、同時に花器官の摂食行動も行っていたことから、送粉者であると同時に、食害者でもあることが推測された。以上の結果から、ミスミソウにおける3タイプの花色多型には、甲虫類による、送粉と食害の拮抗的な自然選択が働いている可能性が示された。この選択圧は特に白花の適応度を抑えるため、フィードバック効果によって白色に単型化するのを防いでいると推測される。ミスミソウにおいては、このような拮抗的な働きをもつ甲虫類の訪花数の年変動や、集団間の遺伝子流動などが加わることで、花色多型が維持されているのではないかと推測され、今後のさらなる検証が望まれる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Plant Research
Volume: 130 Issue: 2 Pages: 263-271
10.1007/s10265-016-0893-1