Project/Area Number |
16J08015
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗脇 永翔 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2016: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ジャン=ポール・サルトル / 可傷性 / 伝記 / 解釈学 / 真実の小説 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代思想のキーワードのひとつである「可傷性」という観点からフランスの哲学者ジャン=ポール・サルトル(1905-1980)の著作、とりわけ伝記的著作に関する研究を進めている。 2016年度に引き続き、2017年度も晩年のフローベール論『家の馬鹿息子』(1971,1972)を中心的な対象に据え、博士論文の執筆を進めた。「可傷性」や「伝記」といったキーワードに加え、この著作の「解釈学」や「真実の小説」としての側面に着目し、読解を進めている。哲学者による作家論である『家の馬鹿息子』は性質上、哲学と文学というふたつのディシプリンに関わるものであるが、上述の側面はそれに加え、この著作への(歴史学や社会学など)「社会科学」からの影響の重要性を示すものである。すぐれて学際的な本著作を扱うに際し、「思想史」という枠組みを採用したことは一定の有効性を保持していたと考えている。 具体的な進展としては、リヨン高等師範学校での在外研究が終わる7月までに博士論文の第一章に相当する部分を書き終えた。これは『家の馬鹿息子』とそれ以前の著作の関係を整理し、その第一巻を分析する箇所である。この執筆過程において、サルトルの方法論が19世紀ドイツの哲学者ヴィルヘルム・ディルタイの「解釈学」から影響を受けていること、サルトルが本書を「真実の小説」と形容する際、おそらくはそれが同時代の歴史家ポール・ヴェーヌの言葉を受けていることなどの重要性を再認識するにいたった。サルトルと社会科学との関係についての考察を深めることは、『家の馬鹿息子』に先立つ主著のひとつ『弁証法的理性批判』を研究する際などにも無視できない点であると考えている。 8月以降は『家の馬鹿息子』第二巻についての研究を進めている。本箇所の執筆に際しては特に、アンリ・ベルグソンの『笑い』など先行する(ないしは同時代の)哲学的言説との関係に着目し、執筆を進めている。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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