新概念「有機分子触媒によるσ結合活性化」に基づいた分子変換手法の開発
Project/Area Number |
16J08932
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
守政 陽平 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 有機ホウ素化合物 / 有機ケイ素化合物 / 有機分子触媒 / 含ホウ素σ結合活性化 / シリルホウ素化 / ジホウ素化 / ラジカル反応 / 結合活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機分子触媒による無極性σ結合の活性化と、これに基づく特徴ある分子変換反応の創出を目的として研究を行った。平成29年度は、交付申請書研究実施計画に記載した、研究項目②「4,4’-ビピリジン触媒によるσ結合活性化を鍵とする有機分子触媒反応の開発」を実施した。平成28年度に見出した、ピリジン化合物によるシリルボランのケイ素-ホウ素結合活性化とアルキンの触媒的シリルホウ素化について、触媒効率の向上と適用可能な基質の拡張に取り組んだ。シリルボランの構造について精査したところ、ヘキシレングリコールから調製した、ホウ素を含む6員環構造を有するシリルボランが効率よく反応することを見出した。この高反応性シリルボランを用いることにより、プロピオール酸エステルに加え、エチニルベンゼンや末端アレンに対してもシリルホウ素化が進行することを明らかとした。末端アルキンのシリルホウ素化では、syn-1,2-付加により位置および立体選択的に(Z)-1-ボリル-2-シリル-1-アルケンが生成した。これに対し、シリルボランのケイ素-ホウ素結合活性化に有効であることが報告されている第3級ホスフィンやアルコキシドでは、1,1-付加のみが進行したことから、ピリジン化合物を触媒とするシリルホウ素化が、従来の有機分子触媒とは異なる機構で進行する特徴的な反応であることを明らかとした。また、用いたピリジン化合物のICP質量分析を行い、微量の遷移金属が触媒に関与した可能性を完全に否定した。 以上の成果は、無極性σ結合の活性化に有効な有機分子とこれを用いる触媒反応の設計に新たな指針を与えるものであり、遷移金属触媒とは一線を画す特徴ある分子変換反応の創出に資すると考えられる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)