Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
安価で豊富な元素から構成されるp 型化合物半導体ZnSnP2 は1.66 eV の直接遷移型バンドギャップを有し, 光吸収係数が可視光領域で105 cm-1 程度と高いことから, 安価で高効率な薄膜太陽電池材料として期待される. しかし, ZnSnP2 を太陽電池材料として利用した報告例はこれまでにない. 本研究では, 高効率太陽電池の実現を目 指し, ZnSnP2 バルク結晶を用いた太陽電池作製とその高効率化に取り組んだ. 以下にその実施状況を示す. すでに実用化されているCIGS 太陽電池のセル構造を元に, Al/AZO/ZnO/CdS/ZnSnP2/Cuのセル構造を用いることで変換効率2%を記録した. しかし, 上記のセル構造においてCdS/ZnSnP2には大きなバンドオフセットが存在することをXPS測定から明らかにしており, CdS とZnS の固溶体(Cd,Zn)S を用いることでバンドオフセットの改善を図った. その結果, 太陽電池の性能を表すパラメータ短絡電流密度 12.3 mA/cm^2J, 開放電圧 0.472 V,曲線因子 0.594, 変換効率3.44 %が得られ, これまでの最高変換効率を記録することができた. 上記の研究成果は, 今後の変換効率向上の指針を示すものである. さらに変換効率の向上を図るため結晶構造が近くバンドオフセットも小さいと予想されるCdSnP2/ZnSnP2 を用いたpn 接合形成を試みた.ZnSnP2結晶上にCd-Sn薄膜を形成し, これをリン化することでCdSnP2/ZnSnP2 接合の形成が確認された. さらに, CdSnP2 がZnSnP2 結晶上にエピタキシャル成長していることが明らかとなり, 良好な接合形成が示唆された. また, 電気的特性評価からはダイオード特性が確認され, 今後太陽電池への応用が期待される.
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