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古代日本における国郡制形成に関する考古学的研究

Research Project

Project/Area Number 16K03156
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Research Field Archaeology
Research InstitutionShimane University

Principal Investigator

大橋 泰夫  島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80432615)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2018)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2017: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Keywords国府 / 郡衙 / 出雲国風土記 / 地方官衙
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、地方官衙遺跡の検討を通して諸国において国府・郡衙などの官衙施設が7世紀末から8世紀初頭に創設され、8世紀前葉に整備されていく状況を遺跡の構造・配置出土遺物の分析を通して解明する点にある。
平成30年度については、ほぼ計画の通りに地方官衙を中心に、報告書の再検討を行った上で現地において資料調査を行った。とくに出雲国については、地方官衙遺跡とそれに関わる古代道路の考古学的成果があがっているため、『出雲国風土記』に記された神門郡内を中心として、神門郡衙の古志本郷遺跡と官衙関連遺跡である天神遺跡、三田谷I遺跡について年代や構造について比較検討した。そのなかで、現地において山陰道駅路の確認を行った。その上で、古代の地方官衙遺跡を理解する上で欠かせない、『出雲国風土記』、『常陸国風土記』、『上野国交代実録帳』の記載内容について、文献史学と考古学との学際的研究の検討会を地元研究者と合同で行った。とくに、同じ郡内に複数の郡衙施設が配置される実態、郡衙と駅家などが交通の要衝地の同所に置かれる点を中心に検討し、地方官衙である郡衙・駅家と交通との関係性を把握した。その成果として、史料に分郡や建郡が記載された郡の中には、それ以前から郡の支所や正倉別院が設置されているものがある点を確認した。
以上の地方官衙の現地視察や報告書の検討に加えて、秋田県秋田市秋田城跡、大仙市払田柵跡、宮城県岩沼市原遺跡(玉前駅家推定地)、栃木県小山市乙女不動原瓦窯(下野国府、下野薬師寺の瓦窯)、三重県四日市市久留倍官衙遺跡(伊勢国朝明郡衙)、鈴鹿市伊勢国府跡、福岡県太宰府市太宰府跡などの遺跡を視察し、現地で資料調査を行い実態の把握を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究についての平成30年度の研究成果として、地方官衙遺跡について、下記のような成果と課題を把握した。
まず、平成29年度に続いて平成30年度においても、文献史学と考古学との学際的研究の検討会を開催した。今年度は、『出雲国風土記』に記された神門郡を取り上げて、山陰道駅路と郡衙や駅との関係を立地や交通の中で検討した。前年度に明らかにした常陸国と同じように河川の渡河点に駅家が設置されることが一般的な特徴であり、出雲国においても共通する点を確認した。その上で、神門郡衙では駅家と同所において官衙遺跡群を形成していることを発掘調査の成果から推定した。さらに、『出雲国風土記』の記載では、天平5年(733)時点において、神門郡には郡衙は一箇所だけが記載されているが、発掘調査の成果によれば、同時期に官衙機能を有した遺跡が複数あることを確認した。この結果、これまでの郡衙研究において、『出雲国風土記』にはすべての郡衙の支所が記載されているという前提で研究を行なってきたことに大きな問題を提起することになった。また、考古学的な検討によって、天平5年(733)時点において、神門郡衙である古志本郷遺跡から、8世紀中頃には別の場所に移転していることも明らかになった。
平成30年度については、以上のように当初の計画を行うことができており、地方官衙研究について、順調に作業は進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

2019年度についてもは、本研究の最終年度であり、これまでの研究成果をまとめる作業を行う。その上で、年度内に研究成果報告書としてまとめる予定である。その作業の中で、補足調査として、必要に応じて各地の国府および郡衙遺跡の出土遺構・遺物の資料調査および現地確認を行う。
具体的な作業としては、遺構については報告書の検討が中心となる。出土遺物については、必要に応じて資料化を行う。その上で、遺構と遺物から総合的に検討し、地方官衙遺跡の実態を解明する予定である。
本研究の中心課題の一つである一郡内に設けられた複数の官衙施設の問題、郡衙の移転については、2018年度と同じく『出雲国風土記』、『常陸国風土記』、『上野国交代実録帳』の記載内容について、古代出雲国の現地である松江市において、文献史学と考古学との学際的研究の検討会を行う予定である。とくに『出雲国風土記』に「国庁・意宇郡家」と記された意宇平野については、詳しく現地で検討を行う。
また、今度中に研究課題と関係する地方官衙遺跡で発掘調査があれば、現地視察によって状況の把握を行う予定である。また、2018度に続いて、一郡内に設けられた複数の郡衙施設群や分郡、建郡の事例について、文献史料および発掘調査事例の集成作業を行い、まとめる予定である。

Report

(3 results)
  • 2018 Research-status Report
  • 2017 Research-status Report
  • 2016 Research-status Report

Research Products

(5 results)

All 2018 2017 2016

All Journal Article Book

  • [Journal Article] 古代の官衙と寺院2018

    • Author(s)
      大橋泰夫
    • Journal Title

      「平安のドラマ・横江荘は語る」資料集 白山市教育委員会

      Volume: 1 Pages: 63-76

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      2018 Research-status Report
  • [Journal Article] 杉沢遺跡等の道路構造について2017

    • Author(s)
      大橋泰夫
    • Journal Title

      出雲国古代山陰道発掘調査報告書

      Volume: 33 Pages: 63-66

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      2016 Research-status Report
  • [Journal Article] 総論 最新の郡衙研究2016

    • Author(s)
      大橋泰夫
    • Journal Title

      考古学ジャーナル

      Volume: 692 Pages: 1-4

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  • [Book] 古代国府の成立と国郡制2018

    • Author(s)
      大橋 泰夫
    • Total Pages
      254
    • Publisher
      吉川弘文館
    • ISBN
      9784642046497
    • Related Report
      2018 Research-status Report
  • [Book] 出雲国誕生2016

    • Author(s)
      大橋泰夫
    • Total Pages
      267
    • Publisher
      吉川弘文館
    • Related Report
      2016 Research-status Report

URL: 

Published: 2016-04-21   Modified: 2019-12-27  

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