Project/Area Number |
16K07294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 雅司 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教 (90304055)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 基底膜 / ラミニン / インテグリン / 細胞外マトリックス / 上皮極性 / 癌 / 三次元培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮細胞は高度に極性化しており、その形質膜は密着結合を境界として基底膜に接する側底面と、その反対側に位置する頂端面に分かれている。さらには、ゴルジ体の配置および微小管の走行においても頂底軸に沿った極性が形成される。こうした極性は上皮組織の機能発現において重要な役割を果たしており、その破綻は癌などの疾患の原因となる。本研究では、上皮極性形成におけるラミニン結合性インテグリンの役割を明らかにすることを目的としている。 基底膜成分を含む培地中で三次元培養すると、上皮細胞は極性化し、シストと呼ばれる一層の細胞シートからなる中空の構造体が形成される。これまでに、私は、ヒト乳腺癌細胞MCF7および結腸癌細胞Caco2の三次元培養系を用いて、ラミニン結合性インテグリンα6が、上皮細胞の極性化を促進することを見出している。そこで、このα6による上皮極性促進の分子機構を明らかにするために、3種類のα6細胞内欠失変異体を作製し、それらを安定に発現する細胞を作出後、上皮極性化能を比較した。その結果、全てのインテグリンα鎖において保存されているGFFKRモチーフ以下の9残基が重要であることがわかった。次に、この絞り込んだ配列内にあるアミノ酸残基に変異を入れ、その影響を調べた。しかし、作製したどの変異体を発現させても、野生型の場合と同等の極性形成が観察された。これらの結果は、絞り込んだ領域の特定のアミノ酸残基ではなく、物理的な長さが、インテグリンα6による極性化促進に働くことを示しているのかもしれない。今後、特定した細胞内領域の役割を明らかにするために、この領域の有無で変化するインテグリン接着複合体構成蛋白質を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インテグリンα6の変異体の解析については、当初予定していた計画を進めることができた。しかし、その解析準備(変異体発現ベクターの作製、変異体発現細胞の作製)に時間がかかったために、予定していたインテグリンを基盤とした接着複合体の解析、および阻害剤等を用いた細胞内シグナル解析についてはほとんど進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、以下の2つのことを行うことで、ラミニン結合性インテグリンα6の上皮極性制御機構を明らかにする。 1:インテグリンα6の細胞内領域の役割を明らかにするために、α6変異体を発現させた細胞をラミニン上に接着させ、そこからインテグリンを基盤とする細胞接着複合体を単離しプロテオミクス解析を行う。この時、野生型α6を発現させた細胞から単離した接着複合体と比較することで、ラミニンによる上皮極性形成に働く接着複合体構成蛋白質を見出す。なお、インテグリンを基盤とする接着複合体の単離は、英国のHumphriesらのグループが報告した方法で行う(Humphries et al., Sci. Signal, 2, ra51, 2009)。 2:インテグリンα6を発現させた際に、微小管の極性を持った配向が顕著に見られるようになる。このことが、ゴルジ体の極性を持った配置、円柱上皮様の形態形成に深く関わると考えられる。そこで、インテグリンによる微小管制御に着目し、その制御機構を明らかにする。その際、微小管制御に関わる細胞内シグナル分子に着目し、それらの分子に対する阻害剤等を用いて調べる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
持ち越した研究費は以下のことに使用する。 ・接着複合体の調製・解析に用いる器具・試薬の購入 ・細胞内シグナル解析のために使用する阻害剤および抗体の購入
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Presentation] Restoration of epithelial polarity of human cancer cells by laminin-binding integrin2016
Author(s)
Yamada, M., Nagano, Y., Usami, S., Tomimoto, C., Iwamura, A., Sato-Nishiuchi, R., and Sekiguchi, K.
Organizer
Americam Society for Matrix Biology 2016 Biennial Meeting
Place of Presentation
St. Petersburg, Florida, USA
Year and Date
2016-11-14
Related Report
Int'l Joint Research
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