Project/Area Number |
16K07414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Morphology/Structure
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野川 宏幸 千葉大学, 大学院理学研究科, 准教授 (40143250)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | マウス / 唾液腺 / 上皮単独培養 / 3次元オルガノイド / 細胞分化 / 器官形成 / 3次元培養 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス胎児唾液腺上皮の長期3次元培養を試みた。これまで3日程度の短期の3次元培養には成功しているが,長期培養は試みてこなかった。長期培養が必要とされる理由は二つあり,細胞分化の研究には少なくとも14日以上の培養が必要であること,再生医療への応用を考えた時に長期培養して細胞数を増やす必要があることである。そこで, マウス13日胚の顎下腺から単離した上皮を用いて,短期培養の条件(上皮をマトリゲルで包み,成長因子を添加した培養液で培養)に新たな因子を加えることで長期培養の条件を検討した。その結果,培養液にインシュリン,トランスフェリン,亜セレン酸を加えると長期培養が可能であり,上皮は密に分枝し,唾液腺に特徴的な腺房構造が多数形成されることが判明した。マウスには顎下腺以外に舌下腺,耳下腺があり,これらを三大唾液腺と呼ぶ。舌下腺,耳下腺についても検討した結果,顎下腺とほぼ同じ培養条件で長期培養が可能であることが判明した。 次に,上記の長期培養条件下で形成された腺房構造の細胞分化の進行状況について調査した。顎下腺,舌下腺,耳下腺の三者はそれぞれ異なった細胞分化をするので,その過程が再現できているかを調査した。その結果,三者はそれぞれ異なる分化過程をたどることが明らかとなったが,正常発生と比較すると粘液の分泌量は少なく,アミラーゼ遺伝子の発現も認められず,正常の分化過程をインビトロで再現することの困難さが判明した。しかしながら,ホルモンなどの外因性因子を追加することでこの問題は克服できる可能性があり,その因子を探索するための培養系が確立できたことは,今後の研究へと繋がる結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に得られた結果を論文にまとめ学術誌(Zoological Science)に投稿した。追加実験を求められ,現在その実験をおこなっている。平成29年度中には受理されるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究結果から,耳下腺では,正常発生で発現しているアミラーゼ遺伝子が培養下では発現していないことが判明した。正常発生では生後5~7日にアミラーゼ遺伝子の発現が認められ,これには生後から血中濃度が上昇するホルモンなどの外因性因子の関与が考えられる。平成29年度はこの点を研究していく。また,成体の唾液腺に存在する未分化幹細胞が胎児期の細胞と同じ性質を維持しているなら,平成28年度に確立した培養条件で成体唾液腺組織を増殖・維持できる可能性が高い。そこで,マウス成体唾液腺の培養を試み,培養後に自家移植する方法なども検討する。
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