冠動脈疾患におけるPTX3の病態関与と法医実務応用に関する研究
Project/Area Number |
16K09214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Shiga University of Medical Science (2017) Kyoto Prefectural University of Medicine (2016) |
Principal Investigator |
東條 美紗 滋賀医科大学, 医学部, 臨床検査技師 (10761166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 香 (石田香) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50345047)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2018: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2017: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2016: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | PTX3 / 急性冠症候群 / 突然死 / 心臓突然死 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
PTX3は臨床において急性冠症候群(ACS)の迅速診断バイオマーカーとして注目されるが、法医実務利用のための検証はない。法医解剖症例に対しても有用と成り得るか検証した。 ACSによる突然死症例を、超急性期死亡ACS群・急性期死亡ACS群に分け、感染症症例を陽性群、即死を陰性群とした。解剖時採取した心臓血を用い、ELISA法にて血中PTX3濃度を測定、各群の比較を行った。超急性期死亡ACS群で陰性群より高値を示し、超急性期に死亡したACSの死因診断に有用であると思われた。また陰性群では生体血基準値より高値であったため、死体血塗抹標本を作製し免疫組織化学染色すると、好中球の死後変性による内部のPTX3漏出が明らかになった。病変からの死後拡散の影響を検討するため、心内血・末梢血の採取部位による濃度差を検討した。末梢血の方が低値であったが生体血よりも高値で、臨床基準値の適用はできないと考えられる。これらの結果は、法医学会学術全国集会で発表し、学術専門誌に投稿中である。 予備実験において、外傷による皮膚損傷部においてもPTX3が発現することを見出した。近年の研究で、PTX3は創傷治癒や血管リモデリングに関与することが明らかにされている。そこで、皮膚創傷治癒モデルマウスを作製し免疫組織化学染色で検討すると、創傷後1時間と早期からPTX3の発現が認められた。炎症により発現するFGF2(血管新生増殖因子)はPTX3と高親和性で、FGF2の受容体結合を阻害し、血管新生作用を抑制すると考えられている。FGF2免疫組織化学染色の結果、PTX3と同様に創傷後早期から発現が認められた。 創傷治癒早期段階におけるメカニズムを明らかにするため、RT-PCRやWestern blotting法等で検討する予定であったが、研究代表者の異動でエフォートを割けなくなり、研究継続困難となったため廃止申請となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)