気道アレルギーにおけるTh2細胞の活性化機構ならびにその新たな役割の研究
Project/Area Number |
16K09927
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Collagenous pathology/Allergology
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
松下 一史 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20581549)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | Th2 / 気道 / 肺 / 鼻 / アレルギー / アレルギー性喘息 / アレルギー性鼻炎 / 2型免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺への花粉粒子曝露により誘導されるTh2細胞の分化にIL-4が必須であるか検討した。IL-4欠損マウスの肺にブタクサ花粉を2週間の間に4回曝露し、リンパ節ならびに肺のCD4陽性T細胞のmRNA発現を検討したところ、IL-5、IL-13、Gata3といったTh2関連遺伝子群の発現がIL-4欠損マウスでは著減しており、Th2分化にIL-4が重要な役割を担うことがわかった。一方で、ブタクサ花粉を一度だけ肺に曝露し3日後のmRNAレベルを検討したところTh2関連遺伝子の発現は野生型とIL-4欠損マウスで差は認められなかった。したがって、肺へのブタクサ花粉曝露によって誘導されるTh2分化はその初期にはIL-4非依存性に誘導され、IL-4産生によってTh2分化が増幅していると考えられる。パパインにより誘導されるTh2分化はILC2がIL-4非依存性にTh2細胞の分化誘導を担っていることが知られているが、Rora欠損マウスを用いた骨髄キメラマウスではブタクサ花粉曝露によるTh2分化は正常に誘導されていた。したがって、花粉粒子によって誘導されるTh2細胞分化にはこれまでに知られていないメカニズムが存在すると考えられる。 我々は鼻粘膜においてTh2細胞が活性化することにより、エンドトキシンを引き金としたIgE非依存性の鼻炎症状が誘導されることを明らかにした。本反応はこれまでに知られていない新規の1型過敏症様の症状であり、またこれまでに知られていない鼻粘膜でのTh2細胞の役割を見出だしたものである。我々は本反応がさらに鼻以外の臓器においても誘導され得るか検討する目的で、肺、皮膚、腸管での検討を行ったが、残念ながら現在までに鼻でみとめられたTh2細胞依存性かつエンドトキシン誘導性の反応は見出されていない。本検討に関してはさらに実験条件を見直して検討を続ける予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺でのブタクサ花粉曝露によるTh2細胞分化の検討は概ね予定していた実験を行えている。Th2細胞とエンドトキシンによる1型過敏症様反応は残念ながら現在までに鼻以外の臓器で誘導することができていない。ただし鼻粘膜においてさらにTh2細胞を介した有意義な反応を見出しつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
肺でのTh2細胞の分化に関してTSLP/IL-33/IL-25の関与を検討する。現在までにIL-33欠損マウスとTSLPR欠損マウスであってもTh2細胞の分化は誘導できることを見出だしている。これらのサイトカインの重欠損、三重欠損マウスを用いて検討する。それらのサイトカイン欠損マウスにおいてもTh2細胞の分化が誘導された場合、マイクロアレイを用いてサイトカイン欠損マウスにおいて誘導されるTh2細胞誘導因子の探索を行う。 Th2細胞とエンドトキシンによる1型過敏症様反応が鼻以外の臓器で誘導できないかさらに検討を加える。抗原やエンドトキシンが上皮バリアーを通過できていない可能性もあるためバリアー機能を破壊もしくは脆弱にさせた条件の検討を行う。さらに、鼻粘膜においてTh2細胞がIgE非依存性の鼻炎症状のみならずIgE依存性の鼻炎症状にも影響を与える可能性について検討する。これまでTh2細胞を移入しエンドトキシンを含む卵白アルブミンを曝露することにより鼻炎症状を誘導していたが、Th2細胞を移入し、かつ卵白アルブミン特異的IgEを静脈注射し、エンドトキシンを含まない卵白アルブミンを曝露することにより検討する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)