Project/Area Number |
16K13921
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Plasma science
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤澤 彰英 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (60222262)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2016: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | プラズマ乱流 / トモグラフィー / 自発回転 / 高精度化 / プラズマ / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、現有の132チャンネルのトモグラフィーシステムを用いて得られる線積分データをプラズマの発光分布をMaximum Likelihood-expectation Maximization (MLEM)法により再構成して得た画像を得た。この画像の時間発展からプラズマの回転速度を推定するために、この画像に対してMLFourier-Bessel展開を行うための最適化アルゴリズムを開発した。ここで、Fourier-Bessel展開では、フィッティングによって基底となるFourier-Bessel関数の係数を最小自乗法によって決定する。その際問題となるのは、フィッティングに際して有限の基底を用いることである。すなわち、より良い結果を得るためには基底の組み合わせを最適化することが必要となる。そのために正規直交性を利用してアルゴリズムを考案し、その方法を試行した。その結果、通常のアルゴリズムに対して、少ない基底を用いて残渣を小さくすることが可能となり、基底の最適化に成功した。また正規直交性を積極的に利用することで、モニターリングなどに利用可能な速いFourier-Bessel展開のアルゴリズムを組む可能性を示した。本成果は現在 Physics of Plasmas に投稿中である。また、現在の132チャンネルのトモグラフィーシステムは45度ずつ離れた4方向から33チャンネルずつ線積分発光データを観測することが可能であるが、新たに6方向から30度ずつ離れた6方向から2チャンネルずつ観測するシステムの製作に取り掛かった。現在直線装置PANTAに設置するのを待つ状態である。このシステムによりプラズマ中の空間分解能をより高くすることが可能となり、現有のシステムと併用することで磁場方向のダイナミクスも得ることができ三次元的な観測が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、プラズマの回転を評価するためMLEM法によって得られた局所発光画像をFourier-Bessel展開するアルゴリズムの開発を行い順調な進展を見た。しかし、計画の当初の予定していたTime Delay Estimate (TDE)法によるアルゴリズムの開発については今後の課題となっている。プラズマ回転を評価するという目的に対しては、TDE法とは異なる方法ではあるものの、その基礎となるFourier-Bessel展開法が進展したことを考えると順調に進展していると言って良い。また、新たに6方向から30度ずつ離れた6方向から2チャンネルずつ観測するシステムの製作自体が終了し直線装置PANTAに設置するのを待つ状態となっていることを合わせると、ソフトウェアおよびハードウェアともにほぼ順調に進展していると自己評価している。このシステムと現在設置されているシステムを用いれば磁場に垂直および平行方向のプラズマの3次元ダイナミクス(時間を加えれば4次元)が観測でき、トーラスプラズマに比べて単純なトポロジーの直線プラズマではあるものの世界でも初めての試みとなり挑戦的萌芽研究にふさわしい成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、現有の4視点(132チャンネル)のトモグラフィーシステムに加えて、6視点(126チャンネル)から観測できる2つのシステムを用いた直線乱流プラズマの3次元計測を行い、それぞれのシステムにおいて、Fourier-Bessel展開の係数から回転を求める方法を引き続き開発する。また当初から計画されていたTime Delay Estimation(TDE)をそれぞれのシステムから得られる2次元発光画像の時系列データに対して用いて、プラズマの流れを評価する。そして、最終目的である、有効視線数を実効的に増やし空間分解能をあげるアルゴリズムを作成する。また本年度の予算で直線プラズマの橋方向からプラズマを観測し、回転を評価するための観測システムも製作する予定である。この観測システムに対してはTDE法による評価を用いるので、TDE法の汎用的なアルゴリズムの開発も行う。また、プローブを用いて電位を計測し電場から得た回転速度と本アルゴリズムを用いて行った回転の推定値を比較することを考えている。さらに、ここで提案しているプラズマ回転を利用した高解像度トモグラフィーアルゴリズムでは、時間分解能を犠牲にすることになるが、時間分解能と空間分解能の最適化問題などにも着手したい。
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