Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアはエネルギー産生の場であり、細胞の生死において重要な細胞小器官である。アルツハイマー型認知症の進行にはアミロイドβによるミトコンドリアの機能障害が関与しており、この機能障害の改善が認知症予防の標的となる。しかしながら、アミロイドβによる脳ミトコンドリアの機能障害をケトン体が改善させるのかについては明らかとなっていない。そこで本研究では、ケトン体の脳におけるミトコンドリアタンパク質増加作用とについて明らかにすることを目的とした。 本事業期間(平成28, 29年度)では、ケトン体によるミトコンドリアの増加、ならびに、そのメカニズムを検証した。細胞株を用いてケトン体であるβヒドロキシ酪酸の刺激を24時間、実施し、刺激後、ミトコンドリア関連タンパク質(COX-lV, VDACタンパク質)を測定した。その結果、ミトコンドリア関連タンパク質の増加を認めた。 ケトン体でによるミトコンドリア増加メカニズムの検証として、Time-Resolved Fluorescence Energy Transfer (TR-FRET)競合アッセイ法を用いて、ケトン体とPPARに対するケトン体の結合を評価した。その結果、ケトン体におけるPPARα, PPARδに対する結合は示さなかった。この結果は、ケトン体によるミトコンドリアの増加には、PPAR以外の経路(メカニズム)が関与していることを示唆する。 以上、本研究では、ケトン体がミトコンドリアタンパク質の増加を示し、そのメカニズムとしてPPAR以外の他の経路が関与している可能性を明らかとした。しかしながら、ケトン体が機能障害を改善させるかに関しては不明なままであるため、ケトン体によるミトコンドリアの増加が認知機能を改善させるかについてはさらなる検証を要する。
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