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政治思想としての超越主義:人格の規律と19世紀アメリカの政治的・社会的課題

Research Project

Project/Area Number 16K16708
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Allocation TypeMulti-year Fund
Research Field History of thought
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

小野田 喜美雄  東北大学, 法学研究科, 特任フェロー (80754499)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2016)
Budget Amount *help
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2017: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2016: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Keywords超越主義 / エマソン / チャニング / ソロー / トランセンデンタリズム / 政治思想
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、19世紀アメリカにおける超越主義がもつ政治思想的側面を解明することを目的としている。本研究で検討の対象となるのは、代表的な超越主義者であるラルフ・W・エマソン、エマソンの師であるユニテリアンの牧師ウィリアム・E・チャニング、エマソンと並び代表的な超越主義者であるヘンリー・D・ソローである。
本研究は、チャニング、エマソン、ソローの宗教・道徳思想と政治思想の関係を検討するものであり、平成28年度は彼らの思想を比較・検討するうえでの視座となる、ユニテリアニズムから超越主義への展開についての研究を行った。
イエス・キリストの神性を否定し、イエスを道徳的な模範となる人間とみるユニテリアニズムは、個々人がイエスのように自律的な生を送ることで来世において救済されると説く。こうした観点から、チャニングは、個々人は宗教的領域においてのみならず社会的・政治的な領域においても自律的な生を送らなければならないとする。そして、チャニングは政治参加は個々人が自律性を涵養することに資するとして、デモクラシーが望ましい政体であると考えた。
エマソンら超越主義者もまた個人の自律性を重視するが、救済論に重点を置くユニテリアンとは、その意味付けが異なる。チャニングは、カルヴィニズムの全的堕落の議論を批判し、神の似姿としての人間の善性を強調した。エマソンの議論は、神と人間との間の絶対的な断絶を否定するという意味ではチャニングの議論と共通点があるものの、超越的な神性が人間に内在すると考える点に違いがある。こうしてエマソンの関心はもっぱら人間の内面に向かうこととなった。しかし、同時に、他者ではなく自らの内なる声に従うべきとするエマソンの議論は、デモクラシーの進展するアメリカ社会において他者の意見に追従するコンフォーミズムが広がっていることに対する批判にもつながった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成28年度は、チャニング、エマソン、ソローにおける宗教・道徳思想と個人の自律に関する議論をそれぞれ検討し比較する予定であったが、エマソンの思想に関する検討が当初の想定より時間がかかったため予定通りに進展しておらず、全体としてやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度は前年度に続きエマソンの著作の検討を進めるとともに、ソローの宗教・道徳思想と個人の自律に関する議論を検討する。また、当初想定していた社会改良論や奴隷制廃止論に関する諸著作の検討を進め、論文執筆に向けて草稿等の作成を進める計画である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

物品費としては、本研究の遂行において必要な文献資料を購入する予定である。また、旅費として、アメリカのライブラリにおける資料収集に充当する予定である。その他、旅費としては、本研究の遂行に必要な研究者との交流および本研究の発表に必要な移動費に充当する予定である。

Report

(1 results)
  • 2016 Research-status Report

URL: 

Published: 2016-04-21   Modified: 2018-01-16  

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