Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
EGFR活性化変異を有するPC-9非小細胞肺癌細胞株及びそのEGFR TKIであるゲフィチニブ耐性細胞であるPC-9/ZD細胞を用いて、第三世代EGFR-TKIであるオシメルチニブ耐性細胞を作製し、樹立することに成功した。オシメルチニブ耐性の原因としては、臨床検体での解析からEGFR C797S変異が報告されているが、デジタルPCR方による検討にて本耐性細胞はC797S変異を有さないことを確認した。耐性細胞であるPC-9/ORとPC-9/ZD/ORについて生化学的な検討を進めた。PC-9/ZD/ORは親株と比較し、細胞遊走能の増強を認め、オシメルチニブが、細胞増殖抑制効果は失われているにも関わらず、遊走能の阻害においては有効であることが明らかとなった。タンパク質レベルでの検討のために、ウェスタンブロットにてEGFRシグナル伝達系を中心に探索を行ったところ、EGFRのリン酸化はオシメルチニブ処理にて完全に阻害されていることが分かり、オシメルチニブのEGFRへの結合能を維持されていることが明らかとなった。しかし、Aktのリン酸化はオシメルチニブ処理においても阻害がされておらず、オシメルチニブへの耐性獲得の原因メカニズムとして、PI3K/Aktのシグナル伝達系が関与していることが示唆された。Aktシグナル伝達系の下流にあるmTORの阻害剤を用いた検討では、オシメルチニブとmTOR阻害剤の併用にて耐性細胞の増殖を抑制できることが示唆された。しかし細胞遊走能の阻害においては効果を認めなかった。この結果より、オシメルチニブ耐性の原因として、PI3K/Akt系の関与があるが、細胞増殖と遊走能においては異なる制御がなされていることが示唆され、そのメカニズムの解明に今後は取り組む必要があると考える。
All 2016
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results, Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results)
Respiratory Investigation
Volume: 54 Issue: 6 Pages: 479-483
10.1016/j.resinv.2016.05.007
日本呼吸器内視鏡学会雑誌
Volume: 38 Pages: 490-493
130005250320