皮膚アミロイドーシスにおける痒みの発生機序解明に向けた病理組織学的アプローチ
Project/Area Number |
16K19211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Pain science
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
杉田 友里 富山大学, 大学病院, 助教 (30739686)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | アミロイドーシス / 痒み / 神経成長因子 / マスト細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれる線維状のタンパク質が皮膚の一部に沈着して生じる疾患であり、皮膚症状として激しい痒みを伴うことを特徴としている。ヒスタミンは古くから痒みのメディエーターとして知られていることから、痒みの第一選択薬として抗ヒスタミン薬が処方される。しかし、皮膚アミロイドーシスの痒みは抗ヒスタミン薬に対し抵抗性を示す場合が多く、痒み発生の原因が不明であるため有効な治療手段を取ることができないのが現状である。そこで、本研究では、皮膚アミロイドーシス患者の皮疹に関して病理組織学的解析を詳細に行うことで、痒みの発生機序解明の一端を試みた。本年は、皮膚アミロイドーシスの中でもアミロイド苔癬に焦点をあて解析を進めた。アミロイド苔癬は、皮膚上に明確な角化性丘疹の発生を特徴とする。そこで丘疹及び健常部を含むパラフィン切片を作製し解析を行った。ダイロン染色により、丘疹内部の真皮乳頭内部を中心にアミロイドの沈着が観察された。ヒスタミンの産生細胞であるマスト細胞数は、健常皮膚と同程度であった。健常皮膚では、末梢神経は表皮直下に広く分布しているが、痒みを伴うアトピー性皮膚炎の皮膚では、末梢神経の表皮内への伸展が特徴とされる。アミロイド苔癬患者の皮膚では、丘疹周囲に末梢神経の表皮内進展が認められ、さらに神経成長因子の発現も同所に認められた。表皮由来神経伸展阻止因子として知られているsemaphorin 3Aの発現に関しては、丘疹部及びその周囲では発現は認められなかったが丘疹以外の健常部基底層に発現が認められた。以上これらの知見を勘案すると、アミロイド苔癬患者の痒みには、マスト細胞の関与が小さく、表皮内神経伸展が痒みの発生に関与している可能性が示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)