ABO遺伝子の発現量変動の解明と、薬剤刺激による血液型抗原量の制御
Project/Area Number |
16K19293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 遥一郎 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50640538)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ABO / 血液型 / ヒストンデアセチラーゼ / HDAC / パノビノスタット / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
ABO式血液型は個人識別に重要な指標として法医学、犯罪鑑識において利用されている。我々はこれまでにABO遺伝子のエンハンサー領域を発見し、プロモーター領域やエンハンサー領域の遺伝子変異が血液型亜型の原因となることを示すとともに、関与する転写因子を複数同定してきた。この研究成果によりABO遺伝子はエピジェネティックな発現調節を多分に受けていることが判明し、従って細胞環境によりABO遺伝子の発現量が変化することが考えられてきた。これらの知見を背景に、今回我々は、赤白血病細胞K562や胃がん細胞KATOIIIにおいて、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)による刺激でABO遺伝子の発現量及び抗原量が減少するか否かを調べた。 その結果、リアルタイムPCR法及びレポーターアッセイによりHDACiがK562及びKATOIIIに対して濃度・時間依存的にABO遺伝子の発現を低下させることを示し、O型血球を用いた血液型転換法によりHDACiがKATOIIIにおいて酵素活性を低下させることを確認し、フローサイトメトリー法により血液型抗原量が減少することを明らかにした。なお、一部のHDACiは既に臨床医療において治療薬として用いられているが、これらによる刺激でもABO遺伝子の発現量及び抗原量が低下することが確認された。また、ChIPアッセイにより、HDACiがABO遺伝子のプロモータ領域にエピジェネティック変化を与えることが、ABO遺伝子の発現量及び抗原量の低下の原因であることが示唆された。 以上の結果から、組織の血液型抗原量計測に基づく常用薬物の推測や時間的・空間的な異同識別等といった法医実務への応用が展開されうると共に、血液型不適合臓器移植時における拒絶反応の軽減などの臨床応用が考えられ、輸血・移植医療への貢献が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Use of postmortem computed tomography angiography to detect vascular injuries accompanying skull base fracture2016
Author(s)
Kuninaka H, Takahashi Y, Sano R, Takahashi K, Kubo R, Kominato Y, Takei H, Kobayashi S, Shimada T, Tokue H, Awata S, Hirasawa S
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Journal Title
Legal Medicine
Volume: 23
Pages: 55-58
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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[Presentation] ABO 遺伝子のプロモーター領域の一塩基置換によって生じたB3型の一例2016
Author(s)
伊藤正一, 荻山佳子, 鈴木光, 峯岸正好, 清水博, 伊佐和美, 小笠原健一, 内川誠, 高橋遥一郎, 佐野利恵, 中島たみ子, 小湊慶彦
Organizer
第64回日本輸血・細胞治療学会総会
Place of Presentation
国立京都国際会館(京都府・京都市)
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