Project/Area Number |
16K20054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤原 智洋 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80639211)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | エクソソーム / microRNA / 肉腫 / バイオマーカー / 治療標的 / 癌 / 核酸 / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、細胞間の情報伝達として様々な細胞特異的に分泌される膜小胞(エクソソーム)が、バイオマーカーやドラッグ・デリバリー・システム、ひいては細胞分化や細胞周囲環境への情報伝達など多彩な役割を担うことが明らかになってきた。とりわけ悪性腫瘍の形成や転移において、腫瘍細胞から分泌されたエクソソームが周囲あるいは転移先の微小環境を調節することで転移に有利な状態をつくり上げることが示唆されてきており、申請者も骨肉腫由来エクソソームが肺転移形成に促進的な役割を担う可能性を見出している。本研究では、肉腫が分泌するエクソソームが腫瘍形成と遠隔転移において果たす役割を解析し、内在する核酸・タンパク質を足がかりに肉腫転移の新しい機構を解明し制御することが目的である。肉腫の死亡原因はほとんどが肺転移であるが、その機序は十分に解明されていない。本研究の特色は、エクソソームおよび内在するmiRNAを用いたバイオマーカーおよびエクソソームおよび内在するmiRNAを標的とした肉腫転移の予防および治療等の臨床応用へ可能性を秘めていることである。特に早期診断に関しては、当研究グループの共同研究機関で開発された、エクソソームを対象とした従来のELISAよりも迅速かつ好感度な検出法であるExoScreenを用いることで、エクソソームの抽出をせずに、数ulの血清からハイスループットに診断ができるようになる可能性がある。また、治療に関しても新たな核酸医薬の可能性を探求することとなる。この研究結果により既存の転移形成機構とは別の新しい転移機構が明らかになり、腫瘍由来エクソソームや内在核酸の標的や制御による肉腫進展に対する治療戦略や新たなバイオマーカーの創出に繋がることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究立案時の研究計画は、平成28年度に、(1)肉腫肺転移細胞株と非肺転移細胞株からのエクソソーム抽出と両細胞株への浸潤能や転移能への影響の評価(in vitro解析およびin vivo解析)、(2)肉腫肺転移細胞株と非肺転移細胞株由来エクソソームに内在するmiRNAおよびタンパク質の網羅的解析および浸潤・転移に関与する重要な分子の特定、を実施し、平成29年度に、(3)肉腫肺転移細胞株由来エクソソームの腫瘍周囲および転移先正常細胞における微小環境に与える影響の解析、(4)微小環境において変動させるmiRNAプロファイルがどのような標的遺伝子を介して腫瘍細胞との親和性を左右させているかの分子生物学的解析、を実施する予定であった。 平成28年度末現在、上記の(1)(2)を終了し、(3)を既に開始している。従って、当初の計画以上に進展している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
前項11の現状を考慮し、平成29年度には、(4) 微小環境において変動させるmiRNAプロファイルがどのような標的遺伝子を介して腫瘍細胞との親和性を左右させているかの分子生物学的解析、を実施する。また、平成30年度には、(5) 網羅的解析で特定した腫瘍由来エクソソーム内包miRNAおよびエクソソームマーカーのバイオマーカーとしての有用性の検討(多施設からの患者検体を用いて)、(6) 網羅的解析により特定した腫瘍由来エクソソーム内包miRNAおよびエクソソームマーカーの新規治療標的としての有効性の解析(人工miRNA阻害剤を用いて)、を実施する予定であるが、研究進捗が非常に順調であるため、上記6の検討を平成29年度内から行っていくことが研究全体の大きな進展となるため、以下に示すように使用額を変更して実施する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に「腫瘍由来エクソソーム中のmicroRNAのmicroarray解析」を実施することとし、費用をあてる。
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